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胆道

タイトル PL-053:

超音波内視鏡下胆嚢ドレナージ術の有用性

演者 今井 元(近畿大学消化器内科)
共同演者 北野 雅之(近畿大学消化器内科), 工藤 正俊(近畿大学消化器内科), 門坂 薫平(近畿大学消化器内科), 大本 俊介(近畿大学消化器内科), 鎌田 研(近畿大学消化器内科), 宮田 剛(近畿大学消化器内科), 坂本 洋城(近畿大学消化器内科)
抄録 【目的】担癌患者など患者背景により手術不能の急性胆嚢炎に対して経皮経肝胆嚢ドレナージ術(PTGBD)が実施されるが,PTGBDは患者ADLを低下し,自己抜去の危険性がある.EUS下胆嚢ドレナージ術(EUS-GBD)は新しいドレナージ治療として,近年その有効性について報告されてきた.今回我々は急性胆嚢炎および切除不能悪性腫瘍による閉塞性黄疸に対して実施したEUS-GBDの成績について検討した.【対象】2008年1月から2012年6月までにEUS-GBDを試みた16例を対象とした.疾患の内訳は急性胆嚢炎8例(胆石2例,self-metal stent留置後6例),閉塞性黄疸8例(膵癌4例,胆管癌2例,胆のう癌1例,胃癌1例)であった.【方法】コンベックス型EUS下に十二指腸もしくは胃前庭部より胆嚢を観察し,19G針を用いて胆嚢を穿刺した.引き続き生理食塩水を用いて洗浄した後に,胆道拡張用カテーテルを用いて穿刺孔を拡張しステントを留置した.ステントには7Fr両端Pigtail stent(PS)もしくはcovered self-expandable metal stent(SEMS)を用いた.ステント留置を成功とする手技成功率,臨床症状改善を成功とする臨床的改善率,偶発症発生率および悪性疾患における生存期間中央値を検討した.【結果】穿刺ルートは経胃的ルートが6例,経十二指腸的ルートが10例であり,経胃的ルートの1例で穿刺はできたが穿刺孔の拡張が困難な症例があり手技成功率は93.8%(15/16)であった.1例において閉塞性黄疸の改善を認めず,臨床症状改善率は93.3%(14/15)であった.2例においてre-interventionを必要とする胆嚢炎を認め,偶発症発生率は12.5%(2/16)であった.14例は担癌患者であり術後の生存期間中央値は68日(16~236日)であり1例のみre-interventionを要した.【結語】EUS-GBDは急性胆嚢炎および閉塞性黄疸の治療の選択肢の一つとなりうるドレナージ治療と考えられた.
索引用語