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膵臓

タイトル PL-057:

膵管内乳頭粘液性腫瘍の悪性度評価における高b-value MR拡散強調画像の有用性

演者 小川 貴央(仙台市医療センター消化器内科)
共同演者 洞口 淳(仙台市医療センター消化器内科), 伊藤 啓(仙台市医療センター消化器内科), 野田 裕(仙台市医療センター消化器内科), 小林 剛(仙台市医療センター消化器内科), 越田 真介(仙台市医療センター消化器内科), 菅野 良秀(仙台市医療センター消化器内科), 枡 かおり(仙台市医療センター消化器内科), 橋元 慎一(仙台市医療センター消化器内科), 藤田 直孝(仙台市医療センター消化器内科), 杉田 礼児(仙台市医療センター放射線科)
抄録 【目的】膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の悪性度評価における高b-value MR拡散強調画像(DWI)の有用性を検証すること.【方法】2005年11月から2012年7月までにDWIを施行後,切除された分枝型IPMN24例(平均年齢69±10歳,男女比15:9)を対象とした.膵癌取扱い規約に準じた組織型分類は膵管内乳頭粘液性腺腫(IPMA)10例,非浸潤性膵管内乳頭粘液性腺癌(non-invasive IPMC)6例(微小浸潤1例を含む),浸潤性IPMC(invasive IPMC)8例である.病変部におけるDWI陽性率,ADC(apparent diffusion coefficient)値について検討した.画像の読影は患者情報を知らない消化器病専門医2名がブラインドで行い,脊髄の信号強度と比較し3段階で判定し,grade2以上としたものを陽性とした.MRI装置は1.5T EXCELART Vantage(東芝社製)を使用し,DWIはSE-EPI,呼吸同期法,b-value:1,000s/mm2,加算回数:4回で行った.ADC値の測定は結節のない症例では病変の最大割面で,結節のある症例では結節を含む断面でROIを決定して行った.【結果】DWI信号陽性率はIPMA 0%(0/10),non-invasive IPMC 17%(1/6),invasive IPMC 88%(7/8)であった.DWIを用いたIPMN良悪性鑑別診断能は感度57%,特異度100%,正診率75%であった.またinvasive IPMCの感度,特異度,正診率は,それぞれ88%,94%,92%であった.平均ADC値はIPMA(2.96±0.42)×10-3 mm2/s,non-invasive IPMC(3.00±0.66)×10-3 mm2/s,invasive IPMC(1.77±0.50)×10-3 mm2/sであった.invasive IPMCの平均ADC値は,IPMAおよびnon-invasive IPMCの平均ADC値と比較して有意に低値を示した(p<0.001).【結論】IPMNに対するDWIは浸潤癌の拾い上げに有用である可能性が示唆された.
索引用語