セッション情報 プレナリー セッション

膵臓

タイトル PL-060:

膵癌における術前栄養免疫学的予後予測因子の検討

演者 神田 光郎(名古屋大学消化器外科学)
共同演者 藤井 努(名古屋大学消化器外科学), 長井 俊志(名古屋大学消化器外科学), 山田 豪(名古屋大学消化器外科学), 小林 大介(名古屋大学消化器外科学), 田中 千恵(名古屋大学消化器外科学), 中山 吾郎(名古屋大学消化器外科学), 杉本 博行(名古屋大学消化器外科学), 小池 聖彦(名古屋大学消化器外科学), 野本 周嗣(名古屋大学消化器外科学), 藤原 道隆(名古屋大学消化器外科学), 竹田 伸(名古屋大学消化器外科学), 中尾 昭公(名古屋セントラル病院外科), 小寺 泰弘(名古屋大学消化器外科学)
抄録 【背景と目的】種々の消化器癌において,術前の栄養状態は術後合併症や予後において重要な因子となることが報告され,近年では積極的な術前の経腸栄養も推奨されるようになった.今回,膵癌における栄養免疫学的な予後・術後合併症予測因子の検出を目的とし,検討を行った.【方法】当科にて膵癌に対する膵切除術を施行した症例のうち,術式と栄養管理の安定化した1990年以降の症例を対象とした.術前に高度通過障害等により経口摂取不能であった症例および術前に血液製剤補充を受けた症例は除外し,268症例に対して術前栄養免疫学的因子と予後,術後合併症について検討した.術直前の体格指標,各種血液検査項目(血清Hb値,総リンパ球数(TLC),血小板数,一般生化学検査)に加えて,OnoderaのPrognostic Nutritional Index(PNI);血清アルブミン値(g/dl)×10+TLC(/mm3)×0.005を評価項目とし,これらと予後および臨床病理学的因子,術後合併症との相関を検討した.術後合併症の重症度分類にはClavien-Dindo分類を,術後膵瘻の重症度分類にはISGPF基準を用いた.【結果】多変量解析では,術前低PNIは独立した予後不良因子であった(HR 1.73,95%CI 1.21-2.47).術前アルブミン低値(p=0.01)および低PNI(p=0.007)は,grade III以上の術後合併症と有意な相関を認めた.grade B以上の術後膵漏発生においても,術前低PNIは独立した危険因子であった.また,術前Body Mass Index 18.5未満の症例では,有意に術後膵瘻発生が少なかった.【結論・考察】膵癌において,PNIは術後合併症,とくに膵漏発生および予後の予測因子であった.術前栄養状態を正確に評価し,術前に栄養状態不良である症例には,経腸栄養を含めた積極的な栄養管理により栄養状態を改善させることが術後合併症を減少させ,ひいては予後を改善させる可能性が示唆された.
索引用語