セッション情報 | プレナリー セッション膵臓 |
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タイトル | PL-061:高齢者に対する膵癌診療の実態および問題点 |
演者 | 黒田 太良(愛媛大学第3内科) |
共同演者 | 熊木 天児(愛媛大学第3内科), 横田 智行(松山赤十字病院肝胆膵センター), 清家 裕貴(市立宇和島病院消化器内科), 田中 良憲(松山市民病院消化器内科), 稲田 暢(済生会松山病院内科), 今井 祐輔(愛媛県立中央病院消化器内科), 長谷部 昌(済生会今治病院内科), 小泉 光仁(愛媛大学第3内科), 畔元 信明(愛媛大学第3内科), 山西 浩文(愛媛大学第3内科), 恩地 森一(愛媛大学第3内科) |
抄録 | 【背景】化学療法の進歩により膵癌の予後は改善し,高齢者でも化学療法の安全性と有効性が報告されている.しかし,様々な理由で高齢者の治療選択に難渋することがある.【目的】膵癌診療の実態を調査し,高齢者膵癌診療の問題点を明らかにする.【方法】対象は2001年~2010年までに愛媛県内主要関連10施設の消化器内科で膵癌と診断された1082例.性別,年齢,診断日,原発部位,病期,治療法,治療選択の理由,転帰についてデータ収集し解析した.【結果】本調査での膵癌患者の多くはstage IVa,IVbで診断され(82%),5年生存率も7%と全国調査と同程度である一方,比較的高齢であった(平均:男69歳,女74歳).高齢者群(65歳以上,n=792)は非高齢者群(65歳未満,n=290)と比べ有意にBSC群が多く(P<0.0001),化学療法群が少なく(P<0.0001),生存期間が短かった(P<0.01).両群間で診断時病期(P=0.92)と死因(90%以上が原疾患死)(P=0.26)について有意差はなかった.高齢者群のうち非化学療法群(n=382)は化学療法群(n=410)と比べ有意に生存期間が短かった(P<0.0001).一方,化学療法群のうち高齢者群(n=410)と非高齢者群(n=209)における生存期間に有意差はなかった(P=0.16).BSCの理由が明らかな高齢者(n=261)のうち51%に化学療法の適応があると考えられた.さらに,そのうち70%が本人へ未告知であり,高齢であること,家族が希望しなかったこと,主治医が積極的にすすめなかったことがBSCを選択する要因であった.【結語】高齢者においても化学療法により生存期間が延長していた.しかし,化学療法の適応があるにも関わらずBSCを選択されている症例が多く,年齢のみにとらわれない慎重な治療選択が望まれる.これらの問題点を克服することにより,さらに予後の改善が期待される. |
索引用語 |