セッション情報 | プレナリー セッション大腸 腫瘍 |
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タイトル | PL-066:大腸腺腫のリスクにおけるHOMA-IRとメタボリックシンドローム |
演者 | 佐々木 悠(山形大学医学部内科学第二講座) |
共同演者 | 佐藤 剛司(山形大学医学部内科学第二講座), 名木野 匡(山形大学医学部内科学第二講座), 岩野 大輔(山形大学医学部内科学第二講座), 吉澤 和哉(山形大学医学部内科学第二講座), 矢尾板 孝夫(山形大学医学部内科学第二講座), 八木 周(山形大学医学部内科学第二講座), 水本 尚子(山形大学医学部内科学第二講座), 菅野 奈々(山形大学医学部内科学第二講座), 阿部 靖彦(山形大学医学部内科学第二講座), 西瀬 祥一(山形大学医学部内科学第二講座), 武田 弘明(山形県立中央病院), 河田 純男(兵庫県立西宮病院), 上野 義之(山形大学医学部内科学第二講座) |
抄録 | 【目的】近年,メタボリックシンドローム(MS)と大腸腫瘍との関連が注目されている.インスリン抵抗性はMSの基盤病態とされ,指標にHOMA-IRが用いられるが,MSと大腸腺腫との関連でHOMA-IRを加味した報告は多くない.そこで今回,Harmonizing the MS(Circulation 2009)の基準,HOMA-IRと大腸腺腫との関連性を検討した.【方法】2008年6月から2010年5月に健診にて全大腸内視鏡検査を受け,本検討に同意し,NSAID常用者や慢性疾患のある方などを除外した1545名を対象とした.大腸ポリープ切除歴がなく,かつ内視鏡的に大腸腺腫を指摘しえなかった937名を対照群,大腸腺腫を指摘しえた395名を大腸腺腫群とし症例対照研究を行った.【結果】腺腫群では,男性,喫煙や飲酒者の割合が高く,年齢,腹囲,血圧,空腹時血糖,中性脂肪(TG),インスリン,HOMA-IRが有意に高く,HDLが有意に低かった.HOMA-IRの四分位と,各MS因子(腹囲,血圧,血糖,TG,HDL)に有意な正相関があったが,年齢には有意差がなかった.年齢,性別,喫煙,飲酒,大腸癌家族歴で調整した大腸腺腫のオッズ比は,HOMA-IR(第4 vs.第1四分位)は2.15(95%CI:1.52-3.05),腹囲高値1.46(1.14-1.87),血圧高値1.92(1.48-2.49),血糖高値1.98(1.45-2.70),TG高値1.71(1.33-2.20),MS1.98(1.51-2.60)と有意に高かった.HDL低値は1.06(0.75-1.51)であった.HDL低値以外の各因子およびMSとHOMA-IRで有意な交互作用なかった.またMSの因子数が増えるとオッズ比は高くなり,全要因を持つ場合は5.09(1.93-13.3)であった.【結論】MSの因子の蓄積が大腸腺腫のオッズ比を最も高めたが,単一の要因としてはMSのどの因子よりもHOMA-IRのオッズ比が高かった.HOMA-IRおよびMS因子数が大腸腺腫のリスクを考える上で重要である可能性が示唆された. |
索引用語 |