セッション情報 | 口演膵腫瘍1 |
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タイトル | O-001:IPMN切除例における浸潤・リンパ節転移予測因子の検討 |
演者 | 新関 亮(神戸大学肝胆膵外科) |
共同演者 | 松本 逸平(神戸大学肝胆膵外科), 石田 潤(神戸大学肝胆膵外科), 岩崎 寿光(神戸大学肝胆膵外科), 山下 博成(神戸大学肝胆膵外科), 白川 幸代(神戸大学肝胆膵外科), 田中 正樹(神戸大学肝胆膵外科), 後藤 直大(神戸大学肝胆膵外科), 浅利 貞毅(神戸大学肝胆膵外科), 武部 敦志(神戸大学肝胆膵外科), 高橋 応典(神戸大学肝胆膵外科), 岡崎 太郎(神戸大学肝胆膵外科), 木戸 正浩(神戸大学肝胆膵外科), 味木 徹夫(神戸大学肝胆膵外科), 福本 巧(神戸大学肝胆膵外科), 具 英成(神戸大学肝胆膵外科) |
抄録 | 【背景・目的】膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は幅広い組織型を示すが,正確な術前診断と適切な手術によって良好な予後が期待できる.微小浸潤癌までの症例ではリンパ節転移は極めて少ないと報告されており,国際診療ガイドラインにも縮小手術の可能性が示唆されているが,その適応は明らかでない.縮小手術の可否を握る浸潤,リンパ節転移の予測因子をIPMN切除例の術前診断,病理診断から検討した.【対象・方法】対象は当院で切除したIPMN91例.術前診断を腺腫から微小浸潤癌までのA群と微小浸潤癌以上の浸潤癌であるB群の2群に分けて,術前診断の精度を検討した.また,リンパ節転移陰性のLN(-)群とリンパ節転移陽性のLN(+)群に分けてリンパ節転移の術前予測因子を検討した.【結果】A群73例の病理診断は腺腫42例,非浸潤癌20例,微小浸潤癌10例,浸潤癌1例で,リンパ節転移は認めなかった.一方でB群18例の病理診断は微小浸潤癌2例,浸潤癌16例で,浸潤癌の4例にリンパ節転移を認めた.LN(-)群とLN(+)群の比較では,主膵管径や結節径,嚢胞径,腫瘍マーカーなどに差はなく,術前画像における浸潤の診断のみが有意なリンパ節転移の予測因子であった.【考察】IPMN切除例において,浸潤癌の術前診断は高い精度で可能であった.術前に微小浸潤癌までと術前診断した症例ではリンパ節転移はなく,リンパ節郭清を伴わない縮小手術が適応可能であるが,術前に浸潤癌と診断できなかった症例もあり,その適応は慎重に考慮すべきである.術前に浸潤癌と診断した症例は確実なリンパ節郭清が望まれ,縮小手術の適応外である.一方で,リンパ節転移は術前画像による主観的な浸潤の診断のみが有意な予測因子であり,MDCTやEUSを中心とした術前画像のスコア化が今後の課題である. |
索引用語 |