セッション情報 | 口演胃 診断 |
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タイトル | O-013:血清ABC分類にてA群に分類された胃癌症例の内視鏡ABC分類 |
演者 | 蘇原 直人(しらかわ診療所) |
共同演者 | 萩原 聡(しらかわ診療所), 飯塚 春尚(しらかわ診療所), 新井 理記(しらかわ診療所), 小野里 康博(しらかわ診療所), 乾 正幸(乾内科クリニック), 乾 純和(乾内科クリニック), 大和田 進(乾内科クリニック), 柿崎 暁(群馬大学大学院病態制御内科学) |
抄録 | 【目的】血清ABC分類は胃癌ハイリスク診断の有用なスクリーニング検査である.しかしH. pylori抗体価とPG値のカットオフ値が設定されている以上,偽陰性で血清A群に分類されてしまう症例も存在する.そこで我々はその偽陰性を補完するため,内視鏡的に背景胃粘膜をABC分類し(内視鏡ABC分類;Helicobacter Res 15:583-584, 2011),血清ABC分類と整合させ,不一致があった場合は内視鏡ABCを最終分類として胃癌リスクを評価することにより,偽陰性群をほぼレスキューできたのでここに報告する.【対象・方法】2007年11月から2011年9月まで当院および乾内科クリニックで胃癌と診断された149例のうち,治療前に血清A群と分類された20例をレトロスぺクティブに内視鏡ABC分類し検討した.血清ABC分類は胃がんリスク検診(ABC検診)マニュアルに沿って行い,内視鏡ABC分類は2人の内視鏡専門医の合意にて診断された.【結果】149例の胃癌患者のうち,20例(13.4%)の症例が見かけ上の血清A群[H. pylori抗体(-),PG(-)]に分類された.平均年齢70.1+10.8 years(68-78),男女比は10:10であった.高分化癌が18例,低分化癌が2例で,占拠部位U/M/L:2/9/9だった.そのうち血清ABC分類の除外項目であるPPI内服中とH. pylori除菌後の症例を除外すると,真の血清A群は3例(2.0%)のみであった.見かけ上A群の20例の内視鏡ABC分類はA/B/C/D:0/1/12/7,真の血清A群の3例はすべてC群で,全例H. pylori感染の関与が考えられる背景粘膜であった.【結語】血清ABC分類に内視鏡ABC分類を整合させることにより正確な胃癌リスク診断ができるものと考えられる. |
索引用語 |