セッション情報 | 口演胃 H. pylori |
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タイトル | O-018:当院におけるヘリコバクター・ピロリ除菌の現況 |
演者 | 後藤 靖和(済生会千里病院消化器内科) |
共同演者 | 池添 達朗(済生会千里病院消化器内科), 真田 徹(済生会千里病院消化器内科), 良原 丈夫(済生会千里病院消化器内科), 山口 大輔(済生会千里病院消化器内科), 大田 真紀代(済生会千里病院消化器内科), 水野 龍義(済生会千里病院消化器内科), 奥田 偉秀(済生会千里病院消化器内科), 堀本 雅祥(済生会千里病院消化器内科), 鈴木 都男(済生会千里病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】日本ヘリコバクター学会は2009年度のガイドラインでH.pylori感染者全員が除菌の対象となることを推奨した.しかし,保険適応は限られておりガイドライン推奨診療が必ずしも保険でカバーされるわけではない.当院では2012年3月よりピロリ菌専門外来を開設した.そこで,当院における除菌療法の現況について検討した.【方法】対象は2010年8月~2012年7月の期間に尿素呼気試験を施行した連続370例のうち感染診断に用いた47例を除き除菌効果判定に用いた323例である.一次除菌,二次除菌,三次除菌別での除菌成功率,PPI別(ランソプラゾール;L,オメプラゾール;O,ラベプラゾール;R,エソメプラゾール;E)での除菌成功率,また一次除菌ではクラリスロマイシン(CAM)の用量別(400mg/日または800mg/日)での除菌成功率につき検討した.【結果】背景疾患は胃潰瘍142例(穿孔4例を含む),十二指腸潰瘍76例(穿孔12例を含む),胃潰瘍+十二指腸潰瘍14例,内視鏡治療(ESD)後35例,過形成性ポリープ5例(自由診療),慢性萎縮性胃炎45例(自由診療),H.pylori感染症6例(内視鏡検査なし,自由診療).一次除菌,二次除菌,三次除菌の症例数,除菌成功率はそれぞれ264例(84.5%),57例(94.7%),2例(100%)であった.PPI別ではそれぞれL138例(81.9%),O93例(86.0%),R23例(91.3%),E10例(90.0%)であった.CAM400mg/日は74例(82.4%),800mg/日は187例(85.0%)であった.【結論】当院での一次除菌成功率は84.5%,二次除菌成功率では94.7%と概ね良好な結果であった.クラリスロマイシンは従来の報告のとおり400mg/日で十分と考えられた.本邦では2011年9月に発売されたエソメプラゾールは他のPPI同様除菌療法に有効であった.自由診療での除菌は全体の17.3%と保険適応外での除菌療法を希望する患者は増加傾向にあり,専門外来の開設は有用と考えられた. |
索引用語 |