セッション情報 ワークショップ7(消化器病学会・肝臓学会合同)

消化器疾患と性差

タイトル 消W7-4:

喫煙・飲酒による食道癌細胞のCOX-2発現亢進・細胞増殖に与える女性ホルモンの影響

演者 辻井 正彦(大阪大・消化器内科)
共同演者 金 瑛(大阪大・消化器内科), 竹原 徹郎(大阪大・消化器内科)
抄録 食道癌の死亡率は、喫煙者では非喫煙者に比べ約4倍、飲酒者では非飲酒者に比べ2倍、また女性では男性に比べ約6倍高い。一方で、食道癌を含む多くの消化器癌でcyclooxygenase-2(COX-2)の高発現が報告されており、COX-2の高発現により腫瘍細胞のアポトーシスの抑制や腫瘍増殖が亢進することが報告されている。喫煙、飲酒が消化器癌細胞の増殖に、女性ホルモンがその抑制に関わることは報告されているが、詳細なメカニズムは明らかでない。【目的】たばこ煙抽出液とベンツピレンBenzo[a]pyreneと17β-estradiol の食道癌細胞のCOX-2発現に与える影響を検討した。【方法】ヒト食道扁平上皮癌培養細胞SC450を用いて、たばこ煙抽出液・Benzo[a]pyrene 、アセトアルデヒドのCOX-2発現亢進、COX-2プロモーターの活性に及ぼす影響、細胞増殖能を検討し、さらに17β-estradiolを添加した場合の影響を検討した。【成績】たばこ煙抽出液・Benzo[a]pyreneはSC450のCox-2プロモーターのNF-κB、CRE結合部位を介してプロモーターを活性化し、COX-2発現を誘導、細胞増殖能を亢進させた。アセトアルデヒドは細胞内活性酸素産生を亢進させ、Cox-2プロモーターのNF-κB結合亢進を介してプロモーターを活性化し、COX-2発現を誘導、細胞増殖を亢進した。17β-estradiolはたばこ煙抽出液・Benzo[a]pyrene、アセトアルデヒドにより活性化した Cox-2プロモーター活性のNF-κB結合を阻害することで抑制し、COX-2発現を抑制するとともにたばこ煙抽出液・Benzo[a]pyrene、アセトアルデヒドにより亢進した細胞増殖を抑制した。【結論】喫煙・飲酒が、Cox-2プロモーター活性の制御を介したCOX-2発現の制御により、食道癌の進展増殖に関与し、エストロゲンがNF-kBの活性化を抑制することによりCOX-2発現を抑制している可能性が示唆された。
索引用語 estrogen, cyclooxygenase-2