セッション情報 口演

大腸 病態

タイトル O-023:

初発炎症性腸疾患患者における赤血球膜脂肪酸プロフィール

演者 内山 幹(東京慈恵会医科大学附属柏病院消化器・肝臓内科)
共同演者 小田原 俊一(東京慈恵会医科大学附属柏病院消化器・肝臓内科), 中村 眞(中村医院), 小井戸 薫雄(東京慈恵会医科大学附属柏病院消化器・肝臓内科), 白石 弘美(人間総合科学大学人間科学部健康栄養学科), 片平 洌彦(新潟医療福祉大学社会福祉学科), 大草 敏史(東京慈恵会医科大学附属柏病院消化器・肝臓内科), 田尻 久雄(東京慈恵会医科大学附属病院消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】1960年代以降の急速な食の欧米化が我が国における炎症性腸疾患(IBD)増加の原因の1つとされている.摂取脂肪酸は細胞膜脂肪酸プロフィールに影響を及ぼし,炎症性メディエーターを産生する.しかしIBD患者における脂肪酸組成の解析は十分に行われていない.【方法】我々は90人の健常人および過去に食事指導の介入を受けていない初発IBD患者43名(潰瘍性大腸炎:UC 25名,クローン病:CD 18名)を対象に,赤血球膜リン脂質の脂肪酸組成を解析した.【結果】IBD患者における赤血球膜n-3/n-6比は健常人と有意差はなかった(0.42±0.13 vs. 0.41±0.13).しかしCD患者におけるリノール酸(LA)重量比は健常人と比較し有意に低く(8.25±1.75 vs. 9.90±1.29;p<0.001),アラキドン酸(AA)は健常人およびUC患者と比較し有意に高かった(11.22±2.18 vs. 9.76±1.64;p<0.01,vs. 9.58±1.97;それぞれp<0.01).LAからAAへの律速代謝酵素であるdelta 6-desaturaseの活性指標delta 6-desaturation indexは健常人に比べCD患者で有意に高かった(1.61±0.65 vs. 1.11±0.26;p<0.001).【結論】初発CD患者の細胞膜中LA重量比は健常人に比べ有意に低い一方,AA重量比は有意に高値であった.CD患者ではdelta 6-desaturase活性が亢進していると考えられ,細胞膜脂肪酸プロフィールは食事療法を行なう上での指標となる可能性が示唆された.
索引用語