セッション情報 口演

大腸癌 診断

タイトル O-032:

血清抗p53抗体陽性大腸癌における治癒切除後の長期経過―再発予測マーカーとしての問題点―

演者 飯野 弥(山梨大学消化器,乳腺・内分泌外科)
共同演者 森 義之(山梨大学消化器,乳腺・内分泌外科), 須藤 誠(山梨大学消化器,乳腺・内分泌外科), 藤井 秀樹(山梨大学消化器,乳腺・内分泌外科)
抄録 【目的】大腸癌における血清抗p53抗体の術後の再発予測マーカーとしての有用性を検討する.【対象と方法】2008年7月より2010年8月の間に当科で治癒切除された大腸癌症例のうち,術前に血清抗p53抗体値が高値であった14例を対象とし,術後の血清抗p53抗体値の推移を検討した.血清抗p53抗体値の測定はMBL社のMESACUP anti-p53テストを用い,1.3U/ml以下を正常とした.術後は原則として3ヶ月毎に測定した.【結果】術前の血清抗p53抗体値は4.15から2640 U/ml(中央値で21.0U/ml)で,術前値と腫瘍の大きさ,病期との間に明らかな相関はなかった.観察期間9ヶ月から4年9ヶ月(平均33.2ヶ月)の間に1例で再発を認め,再発時期に一致して血清抗p53抗体値の再上昇が認められた.一方,非再発13例の血清抗p53抗体値の推移は,6例では術後正常値に復したが,正常値に復した時期は1年2例,1年3ヶ月1例,1年9ヶ月1例,2年2例と長期間を要した.残りの7例では最長で4年9ヶ月経過した時点でも高値が続いている.術前値に対する術後の血清抗p53抗体値の減少率を見ると,8例(術前値の中央値62.18U/ml)では術後1年以内に術前値の20%以下に低下したが,再発例を含む6例(術前値の中央値10.63U/m)では術後一貫して術前値の20%以上を維持している.【結語】血清抗p53抗体陽性大腸癌では,治癒切除後も長期間抗体値は高値が維持されることが多く,術前値が比較的低めの症例でその低下率が悪かった.再発の目安は絶対値の多少よりも経過中の再上昇に留意すべきである.
索引用語