セッション情報 | 口演大腸 IBD 1 |
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タイトル | O-036:Ras/Raf/ERKの抑制因子Spred-2は,マウス炎症性腸疾患モデルにおいて,腸管再生抑制に関与している |
演者 | 高橋 索真(岡山大学消化器・肝臓内科) |
共同演者 | 平岡 佐規子(岡山大学消化器・肝臓内科), 井口 俊博(岡山大学消化器・肝臓内科), 半井 明日香(岡山大学消化器・肝臓内科), 平川 智子(岡山大学消化器・肝臓内科), 秋田 光洋(岡山大学消化器・肝臓内科), 原田 馨太(岡山大学病院光学医療診療部), 岡田 裕之(岡山大学病院光学医療診療部), 山本 和秀(岡山大学消化器・肝臓内科) |
抄録 | 【目的】炎症性腸疾患の病態形成・腸管再生には様々なサイトカイン・増殖因子が関わっている.サイトカインの細胞内でのシグナル伝達としてJAK-STAT系が知られているが,Ras/Raf/ERK経路も深く関与しているとされている.また,増殖因子はチロシンキナーゼ型受容体に結合し,Ras/Raf/ERK経路は最も重要なシグナル伝達系である.Ras/Raf/ERK経路には数多くの抑制系が知られており,その一つとして細胞膜に局在するSpred(Sprouty-related EVH1 domain protein)が報告されている.Spred-2は腸管を含めた全身諸臓器に発現しているとされ,関節リウマチ患者を対象としたGWAS解析ではSpred2が発症リスクに関与する遺伝子の一つと報告されている.我々は,炎症性腸疾患においてもSpred-2が病態に関与しているのではないかと考え,Spred2 KOマウスを用いて検討を行った.【方法】2%デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)含有水をC56BL/6Jマウス及びSpred2 KOマウスに5日間自由飲水させて腸炎を惹起した.血便・体重の推移・便の性状を計測し,Disease Activity Indexを算出した.DSS投与前および投与開始後2,5,8,13,20日目に両群のマウスを屠殺し,病理所見,腸管組織中のサイトカイン発現などについて検討した.【結果】Spred2 KOマウスでは,C56BL/6Jマウスに比べてDisease Activity Indexが軽度であり,IL-1β,TNFαなどの炎症性サイトカインの産生も有意に低値であった.組織学的には8日目,13日目の炎症は同程度であったが,20日目では炎症は軽微となっており,腸管上皮の良好な再生を認めた.【結論】DSSを用いたマウス炎症性腸疾患モデルにおいて,Spred-2が炎症性腸疾患の病勢増悪,腸管再生抑制に関与している可能性が示唆された. |
索引用語 |