セッション情報 | 口演大腸 IBD 2 |
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タイトル | O-041:炎症性腸疾患患者の3価インフルエンザワクチン(H1N1,H3N2,B)に対する免疫応答と安全性についての検討 |
演者 | 萩原 良恵(大阪市立大学医学院医学研究科・消化器内科学) |
共同演者 | 森本 謙一(大阪市立大学医学院医学研究科・消化器内科学), 野口 篤志(大阪市立大学医学院医学研究科・消化器内科学), 宮嵜 孝子(大阪市立大学医学院医学研究科・消化器内科学), 鎌田 紀子(大阪市立大学医学院医学研究科・消化器内科学), 十河 光栄(大阪市立大学医学院医学研究科・消化器内科学), 斯波 将次(大阪市立大学医学院医学研究科・消化器内科学), 谷川 徹也(大阪市立大学医学院医学研究科・消化器内科学), 渡辺 憲治(大阪市立大学医学院医学研究科・消化器内科学), 渡辺 俊雄(大阪市立大学医学院医学研究科・消化器内科学), 富永 和作(大阪市立大学医学院医学研究科・消化器内科学), 藤原 靖弘(大阪市立大学医学院医学研究科・消化器内科学), 荒川 哲男(大阪市立大学医学院医学研究科・消化器内科学), 大藤 さとこ(大阪市立大学大学院医学研究科・公衆衛生学), 前田 一洋(阪大微生物研究会サーベイランスセンター) |
抄録 | 【目的】潰瘍性大腸炎およびクローン病等の炎症性腸疾患(IBD)患者は,免疫抑制剤治療を受けていることが多く,インフルエンザに罹患すると重症化しやすいグループに分類されている.2009年に新型インフルエンザが世界的に流行し,多くの入院患者や死亡者を出したことから,感染予防を目的としたワクチン接種が課題となってきた.そこで,当院通院中のIBD患者を対象にインフルエンザワクチンの免疫原性と安全性を検討した.【方法】2010年9月~2011年7月の間,IBD患者88人(潰瘍性大腸炎45人,クローン病43人)に3価インフルエンザワクチン(H1N1,H3N2,B)を接種した後,血清中のHAI抗体価を3回測定(1.ワクチン接種前,2.接種後3週間後,3.シーズン終了後)して,その免疫応答を評価した.さらに,年齢・性別・IBD活動性・治療薬などのカテゴリーに分けて検討し,安全性に関してはワクチン接種後の副反応で評価した.【結果】IBD患者のうち,免疫抑制剤治療を受けている者は58人(66%),そのうち抗TNFα抗体治療を受けている者は33人(38%)であった.ワクチンに対する,抗体陽転率(fold rise≧4)や抗体変化率などの免疫応答は良好であったが,49歳以上の年齢群とInfliximab(IFX)治療群では抗体保有率(≧1:40)が低かった.また,副反応に関しては,重篤な症状を認めなかったが,全身反応では全身倦怠感(24%),局所反応では発赤(55%)・腫脹(49%)を多く認めた.【結語】ワクチンの抗体応答を低下する因子として,49歳以上の年齢やIFX治療が考えられる.また,ワクチン接種による重篤な副反応は,免疫抑制群と非免疫抑制群ともに認めず,両群比較でも有意差は認めなかった. |
索引用語 |