セッション情報 口演

大腸 IBD 3

タイトル O-046:

クローン病の吻合法(端々吻合v.s.機能的端々吻合)からみた長期成績

演者 羽根田 祥(東北大学胃腸外科)
共同演者 小川 仁(東北大学胃腸外科), 内藤 剛(東北大学胃腸外科), 鹿郷 昌之(東北大学胃腸外科), 森川 孝則(東北大学肝胆膵外科), 長尾 宗紀(東北大学胃腸外科), 田中 直樹(東北大学胃腸外科), 工藤 克昌(東北大学胃腸外科), 大沼 忍(東北大学胃腸外科), 佐々木 宏之(東北大学胃腸外科), 神山 篤史(東北大学胃腸外科), 元井 冬彦(東北大学肝胆膵外科), 吉田 寛(東北大学肝胆膵外科), 片寄 友(東北大学統合がん治療外科), 三浦 康(東北大学胃腸外科), 柴田 近(東北大学胃腸外科), 海野 倫明(東北大学肝胆膵外科)
抄録 【背景】クローン病(CD)は原因不明の難治性の炎症性疾患であり,根治治療法がなく,経過中に手術が必要になることも多い.しかし,手術を行って病変部を切除しても再発することも多く,結局頻回の手術が必要になることも少なくない.再発の形式としては吻合部再発が多いといわれており,この吻合部の再発を少なくすることが患者のQOL向上につながる一因となると考えられる.CDでは様々な吻合法がおこなわれているが,吻合法別の再手術率を検討した報告は多くない.当科でよく行っている吻合法である端々吻合(端々),機能的端々吻合(FEE)について検討した.【目的】当院でCDの腸管病変に対して行った手術治療の成績より吻合法別の長期成績を検討する.【対象・方法】1973年~2011年に当院で腸管病変に対して初回手術で腸吻合を端々あるいはFEEにて行ったCD症例155例について,吻合法別に吻合部再発による再手術率を計算し,retrospectiveに検討した.【結果】端々-45例(男性:32例,女性:13例,年齢:28歳(13-48),小腸型:14例,小腸大腸型:25例,大腸型:6例)に対し,小腸小腸吻合15か所,小腸大腸吻合22か所,大腸大腸吻合12か所行った.CDの罹患期間は3年(0-21)であった.FEE-110例(男性:86例,女性24例,年齢:27歳(15-55),小腸型:35例,小腸大腸型:65例,大腸型:10例)に対し,小腸小腸吻合42か所,小腸大腸吻合70か所,大腸大腸吻合8か所行った.CDの罹患期間は5年(0-33)であった.累積再手術率は端々-5年:25%,10年:55%,FEE-5年:25%,10年:60%であった.両群間に有意差は認めなかった.【まとめ】端々,FEEとも累積再手術率は同程度であり,両吻合間に差は認めなかった.累積再手術率からみた長期成績は端々,FEEともに同程度であると思われた.
索引用語