セッション情報 | 口演B型肝炎1 |
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タイトル | O-048:B型肝炎のHBV genotype別病態の検討 |
演者 | 國吉 徹(獨協医科大学越谷病院消化器内科) |
共同演者 | 玉野 正也(獨協医科大学越谷病院消化器内科), 片山 裕視(獨協医科大学越谷病院消化器内科), 鈴木 一義(獨協医科大学越谷病院消化器内科), 香川 景政(獨協医科大学越谷病院消化器内科), 高田 洋(獨協医科大学越谷病院消化器内科), 鈴木 壱知(獨協医科大学越谷病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】B型肝炎におけるHBV genotypeの頻度と病態について検討した.【方法】2011年5月から2012年6月に当科を受診した,B型肝炎202例(男性116例,女性86例)を対象とした.平均年齢は51.3±15.4(15-83)歳であった.対象の内訳は健常肝110例,急性肝炎11例,慢性肝炎66例,肝硬変15例であった.202例中52例に核酸アナログ製剤が投与されていた.肝細胞癌の合併は13例に認めた.これらの症例におけるHBV genotype(以下genotype)を測定した.【結果】202例中,genotype Aは13例(6.3%),genotype Bは49例(24.3%),genotype Cは115例(56.9%),genotype Dは1例(0.5%)であり,判定保留を24例(11.9%)に認めた.Genotype Aの13例は健常肝3例,急性肝炎7例,慢性肝炎3例であり,平均年齢39.6±10.0(22-60)歳と若く,男性10例,女性3例と男性に多い傾向にあった.Genotype Bの49例は健常肝36例,慢性肝炎12例,肝硬変1例であり,肝細胞癌は1例に認められた.Genotype Cの115例は,健常肝53例,急性肝炎3例,慢性肝炎45例,肝硬変14例であり,肝細胞癌は11例に認められた.Genotype Dの1例は健常肝であり,39歳,女性でガーナ共和国出身であった.判定保留の24例は,健常肝18例,急性肝炎1例,慢性肝炎5例であり,肝細胞癌は1例に認められた.急性肝炎11例中,3カ月以上経過を追跡しえた9例(genotyoe A 6例,genotype C 2例)のうち,genotype Aの5例はHBc抗体の持続高値を呈した.核酸アナログ投与によるHBV DNA陰性化率は,genotype Aで2/2(100%),genotype Bで8/10(80.0%),genotype Cで15/34(44.0%)であった.【結論】Genotype Aは6.3%に認め,急性肝炎例が多く,キャリア化する可能性が高い.Genotype Bは24.3%に認め,慢性肝炎例が多かった.Genotype Cは56.9%に認め,肝硬変への移行,発癌例を多く認めた.核酸アナログへの反応はgenotype Cで他の群に比して不良であった. |
索引用語 |