セッション情報 口演

B型肝炎1

タイトル O-050:

B型慢性肝疾患に対する核酸アナログ製剤投与例のHBs抗原量の検討

演者 高口 浩一(香川県立中央病院肝臓内科)
共同演者 水川 翔(香川県立中央病院消化器内科), 高嶋 志保(香川県立中央病院消化器内科), 石川 茂直(香川県立中央病院消化器内科), 馬場 伸介(香川県立中央病院肝臓内科), 三好 正嗣(香川県立中央病院消化器内科), 和唐 正樹(香川県立中央病院消化器内科), 妹尾 知典(香川県立中央病院肝臓内科), 稲葉 知己(香川県立中央病院消化器内科), 永野 拓也(香川県立中央病院肝臓内科), 河合 公三(香川県立中央病院消化器内科)
抄録 【目的】B型慢性肝炎に対する核酸アナログ製剤(NA)療法では,ALTの正常化や血清HBV-DNAウイルスが検出感度以下になっても,治療中止後にHBV肝炎の再燃が起こる例が多いとされている.最近HBV-DNA量だけでなく,HBcrAgやHBs抗原量を指標として治療中止を検討できるとの報告がある.今回我々はNA治療中患者のHBs抗原量をHBcrAgと共に測定し検討したので報告する.【方法】当院にて,B型慢性肝炎,肝硬変と診断されNA療法を施行した49例(男性30例,女性20例,平均年齢54.6±12.0歳)を対象とした.内訳はエンテカビル(ETV)投与例40例,ラミブジン(LAM)からETV4例,LAM2例,LAM+アデフォビル(ADV)3例であった.NA投与期間は平均63ヶ月であった.【成績】NA中止に伴うリスク回避のための指針の再燃の危険性の評価スコアで検討すると,HBs抗原1.9未満のスコア0は9例,19-2.9 スコア1は13例,2.9以上のスコア2は27例,HBcrAg 3.0未満のスコア0 10例,3-4のスコア1は17例4以上のスコア2は22例であった.合計スコアでは低リスク群0 4例,中リスク群1-2 17例,高リスク群3-4 28例であった.NA投与期間60ヶ月以下26例では合計スコアは2.92であり低1例,中8例,高17例であったが,61ヶ月以上23例では合計スコアは2.26と有意に低いスコアであり,低3例,中9例,高11例と低リスク群比率が高い傾向をみとめた.【結論】NA治療中止に伴うリスク回避のための指針の中リスク群以下の症例は49例中の21例43%で認められた.NA治療期間60ヶ月以上の症例でそれ以下の症例より中リスク群以下の症例が多い傾向が認められた.60ヶ月以上のNA治療歴のある症例ではNA中止も念頭においてHBs抗原HBcrAgを測定してみる意義があるものと考えられた.
索引用語