セッション情報 口演

B型肝炎2

タイトル O-055:

当院における血液悪性腫瘍に対する化学療法施行例,リウマチ性疾患に対する免疫抑制療法施行例及び固形腫瘍に対する手術施行例におけるHBV再活性化について

演者 盛田 篤広(京都第二赤十字病院消化器内科)
共同演者 宇野 耕治(京都第二赤十字病院消化器内科), 島本 真理(京都第二赤十字病院消化器内科), 影山 真理(京都第二赤十字病院消化器内科), 平田 祐一(京都第二赤十字病院消化器内科), 白川 敦史(京都第二赤十字病院消化器内科), 岡田 雄介(京都第二赤十字病院消化器内科), 真田 香澄(京都第二赤十字病院消化器内科), 中瀬 浩二朗(京都第二赤十字病院消化器内科), 鈴木 安曇(京都第二赤十字病院消化器内科), 萬代 晃一朗(京都第二赤十字病院消化器内科), 森川 宗一郎(京都第二赤十字病院消化器内科), 河村 卓二(京都第二赤十字病院消化器内科), 河端 秀明(京都第二赤十字病院消化器内科), 宮田 正年(京都第二赤十字病院消化器内科), 田中 聖人(京都第二赤十字病院消化器内科), 安田 健治朗(京都第二赤十字病院消化器内科)
抄録 【目的】当院における血液悪性腫瘍に対する化学療法施行例,リウマチ性疾患(RA)に対する免疫抑制療法施行例及び固形腫瘍に対する手術施行例におけるHBV再活性化の現状を明らかにする.【対象及び方法】対象は,1)1999年1月から2012年4月迄に当院で治療を行った血液疾患1778例の内,化学療法を行った血液悪性腫瘍866例(NHL426例,MDS148例,多発性骨髄腫91例,AML77例など),2)2011年12月から12年8月迄に当院で加療を行ったRA 101例,3)2011年12月から12年6月迄に手術が行われた3703例の内,固形腫瘍283例(大腸癌55例,胃癌54例,肺癌27例など)である.これらの症例についてHBV関連マーカーの測定状況,治療(手術)経過中のHBV再活性化の有無の検討を行った.【結果】1)ではHBV関連マーカーの測定は適切に行われており,ガイドライン提示前でETV予防投与が行われなかったHBsAg陽性2例でHBV再活性化が認められ,うち1例は劇症化から救命できなかった.HBsAg陰性でHBsAb,HBcAbのいずれかまたは両方陽性例からの再活性化は認められなかった.2)RA 101症例のうち,77例はHBsAg,HBsAb,HBcAbの全てが陰性であったが,15例はHBsAg又はHBsAb,HBcAbのいずれかのみの陰性が確認されていた.HBsAb,HBcAbのいずれか又は両方陽性は8例あり,全てHBV DNAは検出感度以下で,経過中の再活性化は認められなかった.3)手術施行の固形腫瘍患者の内,HBsAg陽性は2例(脳腫瘍,肝細胞癌)で,HBV再活性化は認めていない.【考察と結語】血液疾患に対する化学療法施行例でのHBV対策は適切に行われていた.RAや固形腫瘍に対する手術でのHBV再活性化は認められていないが,正しいHBV関連マーカー測定の啓蒙が必要と思われた.
索引用語