セッション情報 | 口演肝硬変 |
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タイトル | O-056:肝硬変に合併した門脈血栓症に対する治療反応性の予測因子の検討 |
演者 | 太田 雄(旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野) |
共同演者 | 玉木 陽穂(旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野), 須藤 隆次(旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野), 岡田 充巧(旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野), 麻生 和信(旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野), 高添 愛(旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野), 鈴木 裕子(旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野), 岩本 英孝(旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野), 今澤 雅子(旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野), 山北 圭介(旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野), 北野 陽平(旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野), 和田 桂緒利(旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野), 羽田 勝計(旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野) |
抄録 | 【目的】肝硬変症に合併した門脈血栓症に対し抗凝固療法や血栓溶解療法が用いられてきたが,血栓溶解に難渋する症例や自然退縮する症例など様々である.日常臨床で用いられる血液検査の結果と門脈血栓症の治療反応性との関連をretrospectiveに検討した.【方法】2003年8月から2012年6月までの期間に肝硬変に合併した門脈血栓症18例を対象とし,門脈血栓出現時の血液検査,治療経過について解析した.【結果】18例の内訳は男性12人,女性6人,平均年齢は67.8歳であった.背景肝疾患は全例肝硬変であり,成因はHBV 4例,HCV 9例,アルコール2例,NASH 1例,AIH 2例であった.門脈血栓出現時の肝予備能はChild-Pugh A/B/Cが8例/8例/2例であった.抗凝固療法を施行した16例のうち10例で門脈血栓の消失を認めたが,6例では不変あるいは縮小はするものの消失には至らなかった.残りの2例は経過観察のみで自然退縮した.血栓消失群(12例)と血栓非消失群(6例)の間に血小板数,活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),フィブリノーゲン(FIB),Dダイマー,アンチトロンビン3(AT-3),AST/ALT,CRPに有意な差はなかったが,Child-Pughスコア(6.667±0.3761対8.333±0.9545,p=0.0335),PT-INR(1.248±0.0570対1.445±01066,p=0.0453),血清ビリルビン値(1.133±0.1096対1.883±0.5192,p=0.0358)は血栓非消失群において有意に高値を示した.【結論】門脈血栓の出現時の血液検査においてChild-Pughスコア,総ビリルビン値,PT-INRが抗凝固療法に対する反応性の予測に有用な可能性が示唆された. |
索引用語 |