セッション情報 口演

C型肝炎1

タイトル O-061:

テラプレビル3剤併用療法開始初期のHCV動態についての検討

演者 大園 芳範(宮崎大学内科学講座消化器血液学)
共同演者 蓮池 悟(宮崎大学内科学講座消化器血液学), 山田 優里(宮崎大学内科学講座消化器血液学), 土持 舞衣(宮崎大学内科学講座消化器血液学), 中村 憲一(宮崎大学内科学講座消化器血液学), 白土 明美(宮崎大学内科学講座消化器血液学), 三池 忠(宮崎大学内科学講座消化器血液学), 安倍 弘生(宮崎大学内科学講座消化器血液学), 楠元 寿典(古賀総合病院内科), 岩切 久芳(宮崎大学内科学講座消化器血液学), 山本 章二朗(宮崎大学内科学講座消化器血液学), 永田 賢治(宮崎大学医学部附属病院肝疾患センター), 下田 和哉(宮崎大学内科学講座消化器血液学)
抄録 【目的】C型慢性肝炎難治例に対する,テラプレビル併用ペグインターフェロン・リバビリン(PEG-IFN+RBV)併用療法の開始初期のウイルス動態ついて検討した.【方法】当科にてテラプレビル併用PEG-IFN+RBV療法を導入した21症例(男:女=12:9,年齢中央値62歳,33-74歳)を対象とした.テラプレビルとPEG-IFNの1回目を同時投与し,開始直前,開始8時間後,24時間後,3日後,7日後,2週後,3週後,4週後のHCV-RNAを測定し,早期のウイルス動態について検討した.【結果】対象患者のIL28b遺伝子はmajor homoが16例,minor heteroが5例,HCVコア70は野生型17例,変異型4例であった.肝組織はF1:10例,F2:8例,F3:3例であった.治療開始直前のHCV RNA量は平均6.3logIU/mlであった.テラプレビルの開始投与量は2250mgが13例,1500mgが8例であった.HCV-RNAは治療開始8時間後1.15 logIU/ml,24時間後3.06 logIU/ml,3日後で3.79 logIU/ml減少し,8時間後ですでに有意な減少を認めた.4週後のRVR率は90.5%(19/21)であった.IL28b遺伝子型,テラプレビル投与量別では24時間後,3日後の減少量,RVR率に統計学的有意差はみられなかった.【結論】テラプレビル併用PEG-IFN+RBV療法は,投与直後よりHCV RNA量を有意に減少させた.投与4週後までのウイルス減少にはIL28b遺伝子型,テラプレビル投与量による差はみられなかった.テラプレビルは強い抗ウイルス効果を有するが有害事象も多く,適切な投与量の設定がSVR率を向上させる可能性が示唆された.
索引用語