共同演者 |
厚川 正則(日本医科大学千葉北総病院・消化器内科), 島田 紀朋(新松戸中央総合病院・消化器肝臓科), 坪田 昭人(東京慈恵会医科大学総合医科学研究センター), 近藤 千紗(日本医科大学千葉北総病院・消化器内科), 糸川 典夫(日本医科大学千葉北総病院・消化器内科), 福田 健(日本医科大学付属病院・消化器内科), 松下 洋子(日本医科大学付属病院・消化器内科), 楢原 義之(日本医科大学付属病院・消化器内科), 長田 祐二(博慈会記念総合病院・消化器内科), 中塚 雄久(日本医科大学付属病院・消化器内科), 岩切 勝彦(日本医科大学付属病院・消化器内科), 坂本 長逸(日本医科大学付属病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】現在の1型高ウィルス量のC型慢性肝炎に対する標準的治療はPEG-IFN/ribavirin/Telaprevirの3剤併用療法である.以前我々はPEG-IFN/ribavirin療法にfluvastatinを併用することで有意にSVR率を向上させることを報告した.今回3剤併用療法に対するfluvastatin併用の効果を初期のHCV-RNA変動に着目して解析した.【方法】1型高ウィルス量のC型慢性肝炎患者から同意を得た上で無作為にfluvastatinあり,なしに割り付け3剤併用療法を施行した.治療導入後,1,2,3,4,6,8,12週でHCV-RNA量を測定し比較検討した.本研究は薬物倫理委員会の承認のもと施行された.【結果】治療導入後12週まで完遂でき解析可能な症例は合計66例であった.IL28Bのgenotypeの頻度は両群ともにT/T 21例,nonT/T 12例であった.HCV-RNA消失について経時的に比較したところ,1週(fluvastainあり12.1%,なし6.0%),2週(27.2%,30.3%),3週(51.5%,78.8%),4週(72.7%,90.0%),6週(93.9%,100%),8週(97.0%,100%),12週(97.0%,100%)であり統計学的有意差を認めなかった.fluvastatin併用群に1例VBTを認めた.fluvastatin併用による明らかな有害事象を認めなかった.【結論】C型慢性肝炎に対する3剤併用療法において治療初期のHCV-RNA dynamicsに対するfluvastatin併用の影響は認めなかった.今後VBTの頻度や治療終了後の再燃率などに注目して経過観察したい. |