セッション情報 口演

C型肝炎1

タイトル O-062:

C型慢性肝炎に対する3剤併用療法におけるfluvastatin併用の初期ウィルス変動に与える影響についての検討

演者 中川 愛(日本医科大学千葉北総病院・消化器内科)
共同演者 厚川 正則(日本医科大学千葉北総病院・消化器内科), 島田 紀朋(新松戸中央総合病院・消化器肝臓科), 坪田 昭人(東京慈恵会医科大学総合医科学研究センター), 近藤 千紗(日本医科大学千葉北総病院・消化器内科), 糸川 典夫(日本医科大学千葉北総病院・消化器内科), 福田 健(日本医科大学付属病院・消化器内科), 松下 洋子(日本医科大学付属病院・消化器内科), 楢原 義之(日本医科大学付属病院・消化器内科), 長田 祐二(博慈会記念総合病院・消化器内科), 中塚 雄久(日本医科大学付属病院・消化器内科), 岩切 勝彦(日本医科大学付属病院・消化器内科), 坂本 長逸(日本医科大学付属病院・消化器内科)
抄録 【目的】現在の1型高ウィルス量のC型慢性肝炎に対する標準的治療はPEG-IFN/ribavirin/Telaprevirの3剤併用療法である.以前我々はPEG-IFN/ribavirin療法にfluvastatinを併用することで有意にSVR率を向上させることを報告した.今回3剤併用療法に対するfluvastatin併用の効果を初期のHCV-RNA変動に着目して解析した.【方法】1型高ウィルス量のC型慢性肝炎患者から同意を得た上で無作為にfluvastatinあり,なしに割り付け3剤併用療法を施行した.治療導入後,1,2,3,4,6,8,12週でHCV-RNA量を測定し比較検討した.本研究は薬物倫理委員会の承認のもと施行された.【結果】治療導入後12週まで完遂でき解析可能な症例は合計66例であった.IL28Bのgenotypeの頻度は両群ともにT/T 21例,nonT/T 12例であった.HCV-RNA消失について経時的に比較したところ,1週(fluvastainあり12.1%,なし6.0%),2週(27.2%,30.3%),3週(51.5%,78.8%),4週(72.7%,90.0%),6週(93.9%,100%),8週(97.0%,100%),12週(97.0%,100%)であり統計学的有意差を認めなかった.fluvastatin併用群に1例VBTを認めた.fluvastatin併用による明らかな有害事象を認めなかった.【結論】C型慢性肝炎に対する3剤併用療法において治療初期のHCV-RNA dynamicsに対するfluvastatin併用の影響は認めなかった.今後VBTの頻度や治療終了後の再燃率などに注目して経過観察したい.
索引用語