セッション情報 口演

C型肝炎1

タイトル O-064:

テラプレビル・リバビリン・インターフェロン3剤併用療法における末梢血白血球分画インターフェロンαレセプター発現と治療早期効果との関連

演者 高亀 道生(東邦大学消化器内科)
共同演者 石井 耕司(東邦大学消化器内科), 篠原 美絵(東邦大学消化器内科), 金山 香(東邦大学消化器内科), 篠原 正夫(東邦大学消化器内科), 永井 英成(東邦大学消化器内科), 渡辺 学(東邦大学消化器内科), 五十嵐 良典(東邦大学消化器内科), 住野 泰清(東邦大学消化器内科)
抄録 我々は以前にC型肝炎ウイルス(HCV)genotype1に感染し,治療前の血清HCV-RNA量が5.0 Log copies/ml(RT-PCR法)以上の高値のC型慢性肝炎(難治例)に対するリバビリン(R)併用のペグインターフェロンα-2b(PEG)併用療法による早期のHCV-RNA陰性化と末梢血リンパ球(Ly),単球(Mo)上のインターフェロンαレセプター(IFNAR-2)の発現が関連していると報告した.今回,テラプレビル(T)+R+PEGの3剤併用療法による治療早期のウイルス学的効果と末梢血LyとMo上のINFAR-2発現の関係を明らかにする.<対象および方法>2012年2月から当科において3剤併用療法を開始した難治例の24症例(男/女比は15/9,年齢の中央値は55歳)が対象である.全例から同意を得てIL-28B SNP(rs8099917)を測定した.治療開始前,開始4週,8週後に血清HCV-RNA量を測定し,開始4週で血清HCV-RNAが陰性化した場合を早期反応者(RVR)とし,開始4週で血清HCV-RNAが陽性の場合をnon-RVRとした.末梢血LyおよびMo上IFNAR-2の平均発現強度を既報のごとく,治療開始前および開始3,7,14日後まで測定した.<結果>対象の24例(rs8099917のgenotype TTは20例,TGが3例,GGが1例)のうち,治療開始2週までに有害事象のため3例(rs8099917のgenotype TTが2例,GGが1例)でTを中止した.残る22例中17例(rs8099917のgenotype TTが14例,TGが3例,投与量の中央値はT:2250mg/日;R:600mg/日;PEG:90μg/週)がEVRを得た.残る4例(全例がrs8099917のgenotype TTで,投与量の中央値はT:2250mg/日;R:700mg/日;PEG:100μg/週)がnon-EVRであった.RVRの末梢血LyとMo上のIFNAR-2発現はnon-RVRのそれらに比べて治療開始前から開始14日後まで常に高値であった.<結論>難治例に対する3剤併用療法のウイルス学的早期効果はR+PEGの2剤による治療効果と同様に,末梢血LyとMo上IFNAR-2発現と関連していた.
索引用語