セッション情報 | 口演C型肝炎2 |
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タイトル | O-068:高齢者C型慢性肝炎に対するテラプレビルを含めた3剤併用療法の成績 |
演者 | 辻 恵二(広島市立安佐市民病院消化器内科) |
共同演者 | 脇 浩司(広島市立安佐市民病院消化器内科), 桑原 健一(広島市立安佐市民病院消化器内科), 齊藤 裕平(広島市立安佐市民病院消化器内科), 平野 大樹(広島市立安佐市民病院消化器内科), 高田 俊介(広島市立安佐市民病院内視鏡内科), 上田 裕之(広島市立安佐市民病院消化器内科), 木村 茂(広島市立安佐市民病院消化器内科), 永田 信二(広島市立安佐市民病院内視鏡内科) |
抄録 | 【目的】C型慢性肝炎に対するテラプレビル(TVR)とペグインターフェロン(PEG-IFN)・リバビリン(RBV)の3剤併用療法が認可され,治療効果向上が期待される一方で,本邦の特徴である高齢者に対する成績についての報告は少ない.今回我々は65歳以上の高齢者に対する3剤併用療法の成績について検討したので報告する.【方法】対象は当院にて,PEG-IFN/RBV/TVRの3剤併用を導入したC型慢性肝炎患者41例.うち65歳以上22例(男/女:5/17例,年齢71.0±3.4歳)を高齢者とし,64歳以下(男/女:8/11例,年齢56.3±1.9歳)を非高齢者とした.減量導入例はTVR 1500mg/日+RBV 400mg/日+PEG-IFN標準量で開始した.投与開始12週までの完遂率,アドヒアランス,副作用,ウイルス学的反応について検討を行った.【成績】高齢者と非高齢者の背景では前治療無効例の割合59% vs 21%(p=0.04),ALT(IU/L),前eGFR値(ml/min/1.73m2)64±12 vs 75±17(p=0.009)に差がみられた.減量して導入する割合は高齢者72%に対して非高齢者は6%(p<0.0001)であった.12週までのTVR,PEG-IFN,RBVの各完遂率は高齢者と非高齢者でそれぞれ61% vs 56%,89% vs 100%,61% vs 69%と差がなかった.同様にTVR,PEG-IFN,RBVのアドヒアランスは68% vs 79%(p=0.06),83% vs 92%,53% vs 67%(p=0.02)とTVRとRBVが高齢者では低かった.3剤併用療法が中止となった副作用は皮疹は非高齢者の2例にみられ,高齢者では腎障害,血小板減少と認知症が各1例ずつであった.RVRとEVR達成率は高齢と非高齢者でそれぞれ78% vs 69%,89% vs 94%と差が無く,このことはIL28B TT間,TG/GG間の比較においても差はなかった.【結論】非高齢者に比べ腎機能の低下している高齢者においてもTVRとRVBの減量による初期投与により安全に3剤併用を導入でき,細やかな容量調節によりウイルス学的効果が期待できる. |
索引用語 |