セッション情報 口演

C型肝炎3

タイトル O-071:

テラプレビル併用3剤によるC型肝炎治療の効果及び副作用に関する検討

演者 高木 均(高崎総合医療センター消化器科)
共同演者 長沼 篤(高崎総合医療センター消化器科), 星野 崇(高崎総合医療センター消化器科), 小板橋 絵里(高崎総合医療センター消化器科), 上原 早苗(高崎総合医療センター消化器科), 坂本 直美(高崎総合医療センター消化器科), 工藤 智洋(高崎総合医療センター消化器科), 柿崎 暁(群馬大学大学院医学系研究科肝臓代謝内科), 佐藤 賢(群馬大学大学院医学系研究科肝臓代謝内科), 森 昌朋(群馬大学大学院医学系研究科肝臓代謝内科)
抄録 【目的】テラプレビルを含む3剤併用療法が保険適応となり,多くの1型高ウイルスの患者に治療導入された.IL28β変異,HCVコアー変異により治療効果の予測が可能とされているが,実際に治療を開始してその初期の効果と副作用について検討した.【方法】本年1月以降,当院で3剤併用療法を導入された33例の,genotype1b,高ウイルスのC型慢性肝炎患者について,臨床的背景,治療開始後4週後までのHCVRNAの変化,副作用について検討した.IL28β(rs8099917)+HCV-core70に関してはmajor homo+wild=A群,major homo+mutant=B群,hetero+wild=C群,hetero+mutant=D群として比較した.【結果】患者は49歳~74歳,中央値62歳,男性23例,女性10例,A群:B群:C群:D群=17:5:5:6であり,4週目のウイルス消失は15/17(88.2%):5/5(100%):3/5(60%):5/6(83.3%)で得られた.途中治療中止は,grade3以上の重篤な皮疹が出現した2例であり,いずれも治療開始後8週目で重篤化し治療中断されsteroid剤注射・内服治療により軽快した.うち1例は薬剤性遅発型過敏症候群であり,HHV6抗体価の上昇が確認された.その他にも33例中重篤化した2例を含む21例(63.6%)で治療3日目から7日目までに軽度の皮疹が出現し,ステロイド軟膏塗布にて軽快した.creatininは32/33(97%)で1週目までに上昇し,うち13例(39.4%)で1mg/dlを超えた.尿酸は測定し得た29例中治療後1週目までに28例で上昇し,7mg/dlを超えアロプリノール投与を要したのは23例中18例(78.3%)であった.【結論及び考察】難治性C型肝炎に対するテラプレビル併用3剤によりIL28β変異,HCVコアー変異に拘わらず早期より高率に(総計33例中28例,84.8%)ウイルスの消失が得られた.また皮疹,腎障害,尿酸上昇等の副作用は高率に見られ厳重な観察,管理が必要であった.
索引用語