セッション情報 口演

肝癌1

タイトル O-072:

肝細胞癌に対するソラフェニブ治療の検討―modified RECISTによる評価はRECISTよりも生存期間を反映する―

演者 高田 樹一(北里大学医学部消化器内科学)
共同演者 日高 央(北里大学医学部消化器内科学), 中澤 貴秀(北里大学医学部消化器内科学), 渋谷 明隆(北里大学医学部消化器内科学), 奥脇 裕介(北里大学医学部消化器内科学), 田中 賢明(北里大学医学部消化器内科学), 南野 勉(北里大学医学部消化器内科学), 井上 智仁(北里大学医学部消化器内科学), 小泉 和三郎(北里大学医学部消化器内科学)
抄録 【背景】一般的に化学療法の効果判定はRECISTで行われるものの,肝細胞癌(HCC)のカテーテル治療や局所治療に対してはmodified(m)-RECISTが病勢を反映するとされ,ソラフェニブの効果判定も最近m-RECISTの方が優れていると報告され始めた.【方法】当院で2012年6月までにHCCに対してソラフェニブを投与された72例を対象にResponse rate,Disease control rate,OSへの寄与をRECISTとm-RECISTに関して向きに検討した.【結果】患者背景は男性52例(72%),年齢69歳(37-83),Child Pugh score 5/6/7/8-:44/25/3/0例,ECOG-PS 0/1/2/3-:39/28/5/0例,背景肝HC/HB/NBNC:34/18/20例,高血圧29例(40%),肉眼的脈管浸潤24例(33%),肝外病変26例(36%)29病変(肺/骨/副腎/LN/その他:15/3/3/3/5例),BCLC-stage A/B/C:0/28/44例.67/72例が画像評価をされCR/PR/SD/PD/標的病変なし=RECIST:3/2/29/30/3,mRECIST:3/6/27/26/5であった.CR+PR/CR+PR+SDはRECIST:7%/47%,mRECIST:13%/50%であり,単変量解析するとmRECISTは両群ともOSに寄与していたがRECISTではResponder(CR+PR)はNon-responder(SD+PD)と有意差がなかった(P=0.0858).これらをその他OSに寄与した因子と一緒にCOX比例ハザードモデルにて多変量解析すると肉眼的脈管浸潤あり,ECOG-PS,AST≧ULNとともにmRECISTのCR+PR+SD(P=0.001 HR 0.299)が選択された.【結語】ソラフェニブ治療の評価にもmRECISTは有効であり,特にDisease controlが得られた症例の予後は良い.mRECISTはソラフェニブの臨床研究や新しい分子標的薬の効果判定にも有用あると考える.
索引用語