セッション情報 口演

肝癌1

タイトル O-073:

当院における肝細胞癌に対するソラフェニブ投与の成績

演者 小池 奈央(三豊総合病院内科)
共同演者 守屋 昭男(三豊総合病院内科), 栄 浩行(三豊総合病院内科), 吉田 泰成(三豊総合病院内科), 安原 ひさ恵(三豊総合病院内科), 遠藤 日登美(三豊総合病院内科), 神野 秀基(三豊総合病院内科), 加地 英輔(三豊総合病院内科), 幡 英典(三豊総合病院内科), 今川 敦(三豊総合病院内科), 中津 守人(三豊総合病院内科), 安東 正晴(三豊総合病院内科)
抄録 【背景】腫瘍細胞増殖と血管新生に関わるRaf,VEGFR,PDGFRなどの複数のキナーゼを阻害するソラフェニブは,局所治療不能の肝細胞癌に対する標準的治療薬であるが,Child-Pugh分類Aに対する投与が適正とされている.【対象と方法】当院においてソラフェニブを投与された肝細胞癌患者29例(男性24例,女性5例,開始時平均年齢75.4歳,Child-Pugh分類A:18例,B:11例,Stage I:2例,II:9例,III:5例,IVa:8例,IVb:5例)について治療効果と副作用を検討した.【結果】初回投与量は400mg/日以上:17例,200mg/日以下:12例であった.投与期間中央値は275日(18例が投与中止),生存期間中央値は406日(11例が死亡)であった.生存期間,投与期間についてChild-Pugh分類AとBで比較したところ有意な差はなかった(それぞれP=0.206,P=0.198).効果は判定が可能であった20例をmRECISTを用いて検討した.最大腫瘍効果はCR 1例,PR 3例,SD 7例,PD 9例であった.病勢制御率はChild-Pugh分類別ではA:46%(6/13例),B:71%(5/7例)であり,投与量別では400mg/日以上:45%(5/11例),200mg/日以下:67%(6/9例)であった.副作用は主なものとして,手足症候群48%,食欲不振33%,肝性脳症26%,下痢26%,発疹19%,肝不全19%,嗄声15%,高血圧11%,消化管出血7%であった.特に手足症候群については,投与開始から発症までの平均期間は16.7日であった.Child-Pugh分類別の手足症候群発現率はA:69%(11/16例),B:36%(4/11例)であった.投与量別の手足症候群の発現率は400mg/日以上で60%(9/15例),200mg/日以下で50%(6/12例)であった.【結論】Child-Pugh分類別の比較では生存期間,病勢制御率,副作用発現率に有意な差は認められず,Child-Pugh分類BでもAに劣らない治療効果を得ることが出来ると考えられた.
索引用語