セッション情報 口演

肝癌2

タイトル O-079:

肝細胞癌治療におけるFDG-PET/CTの役割・ミラノクライテリア逸脱予測

演者 平岡 淳(愛媛県立中央病院消化器内科)
共同演者 清水 祐宏(愛媛県立中央病院消化器内科), 河崎 秀樹(愛媛県立中央病院消化器外科), 山子 泰加(愛媛県立中央病院消化器内科), 白石 明子(愛媛県立中央病院消化器内科), 今井 祐輔(愛媛県立中央病院消化器内科), 宇都宮 大貴(愛媛県立中央病院消化器内科), 達川 はるか(愛媛県立中央病院消化器内科), 谷平 哲哉(愛媛県立中央病院消化器内科), 宮田 英樹(愛媛県立中央病院消化器内科), 二宮 朋之(愛媛県立中央病院消化器内科), 曽我部 一郎(愛媛県立中央病院放射線科), 石丸 良広(愛媛県立中央病院放射線科), 井上 武(愛媛県立中央病院放射線科), 道堯 浩二郎(愛媛県立中央病院消化器内科)
抄録 【背景・目的】ミラノクライテリア基準(MC)内の肝癌(HCC)に対して肝移植は有効な治療であるがドナー不足の問題があり,手術(Hx)やラジオ波焼灼術(RFA)が広く行われている.しかし再発時にMCを逸脱して積極的治療適応から逸脱する症例も多い.早期のMC逸脱再発を予測する因子をレトロスペクティブに検討した.【対象・方法】2007年4月から2011年12月の間に,PET/CTを検査し得た根治術(Hx・RFA)で加療したMC内の初発HCC158例.腫瘍部と背景肝の各SUVを測定し,その比(腫瘍部/背景肝:R-SUV)を算出した.R-SUV 1.5≦をH群(n=44),1.5>をL群(n=114)とした.根治術後にMC逸脱再発を来す予測因子を検討した.【結果】平均年齢は69.1±9.8歳,男性105例,女性53例.平均腫瘍径2.6±0.9cm,単発119例,多発39例.HCV:HBV:HCV+HBV:非B非Cは115:16:1:26,Hx治療症例は52例,RFA106例であった.H群はL群と比べてHCV,Child-Pugh Bが多く,腫瘍径が大きく(79.5 vs. 70.2%:P<0.01,34.1 vs. 25.4%:P=0.04,2.9±0.9 vs. 2.0±0.9cm:P=0.01),1年,3年後のMC逸脱再発率が高かった(24.2%,52.1%vs.4.8%,20.2%,P<0.01).腫瘍径2cm≦(HR4.30,P=0.019),R-SUV 1.5≦(HR3.12,P=0.006)がCox hazard単変量解析で有意因子となり,多変量解析でR-SUV 1.5≦のみが有意因子となった(HR2.37,P=0.045).R-SUV1.5≦の症例は1.5>の症例と比べて1年,3年後のMC逸脱再発率が高値であった(24.2%,52.1%vs.4.8%,20.2%,P<0.01).【結論】MC内の小HCCにおいて,R-SUVが低値(1.5>)であればHxやRFAによる根治術で予後の延長を図れるが,高値(1.5≦)の症例は,HxやRFAを施行し得ても早期にMCを逸脱するリスクが高く,肝移植の検討も必要である.
索引用語