セッション情報 口演

肝癌3

タイトル O-085:

肝細胞癌に対するTACE併用定位放射線治療の検討

演者 大重 彰彦(鹿児島大学消化器内科)
共同演者 玉井 努(鹿児島大学消化器内科), 平木 嘉幸(鹿児島大学放射線科), 重信 秀峰(指宿病院消化器内科), 呉 建(済生会川内病院内科), 小野原 信一(済生会川内病院放射線科), 豊倉 恵理子(鹿児島大学消化器内科), 大野 香織(鹿児島大学消化器内科), 最勝寺 晶子(済生会川内病院内科), 今中 大(鹿児島大学消化器内科), 熊谷 公太郎(鹿児島大学消化器内科), 森内 昭博(鹿児島大学消化器内科), 宇都 浩文(鹿児島大学消化器内科), 桶谷 眞(鹿児島大学消化器内科), 井戸 章雄(鹿児島大学消化器内科), 坪内 博仁(鹿児島大学消化器内科)
抄録 【目的】経皮的局所治療が困難であった肝細胞癌(HCC)に対し定位放射線治療(SRT)を施行し,その安全性・有効性について検討した.【方法】対象は,HCCに対して肝動脈化学塞栓術(TACE)を施行後に,根治目的にSRTを施行した15例15結節.患者背景は,男/女:9/6,年齢中央値は73.5(53-85)歳,HBV/HCV/非B非C:3/8/4,Child-Pugh:A/B-C 13/2.腫瘍は,サイズ中央値18(11-40)mm,StageI/II/III/IV:6/8/0/1,初/再発:8/7.総照射線量は,中央値50.0(42.0-57.6)Gy,平均照射回数は5.3回.観察期間中央値は217(56-872)日.以上について,SRT後の安全性を血液生化学検査およびCTCAE ver.4.0で,また有効性についてはRECIST,mRECIST,RECICLで評価した.【結果】臨床検査値において,治療中にGrade3(G3)の貧血1例,血小板減少1例を認め,治療終了後,新たにG3の白血球減少2例を認めた.このうち,貧血,白血球減少はいずれもその後速やかに改善し,血小板減少例も徐々に改善傾向である.肝胆道系障害において,治療中に重篤なAEはなかったが,治療後1ヶ月以内に,門脈血栓1例を認め,抗血栓療法を行った.その他,胃十二指腸潰瘍を1例で認め,PPIを開始した.Child-Pughは,1例で一時的に5→6点へ低下したのみであった.治療終了後6ヶ月以上経過した時点で評価可能であった8例において,CR/PR/SD/PD:RECIST(2/2/0/4),mRECIST(6/0/0/2),RECICL(6/0/0/2)であった.PDと評価した症例は,局所再発が疑われた例が1例,局所は制御されていたものの肺転移が疑われた例が1例であった.【結論】SRTは,経皮的局所治療困難例においても局所制御が期待できる治療法である.
索引用語