セッション情報 口演

肝画像

タイトル O-087:

慢性肝疾患における非侵襲的線維化評価法としてのreal-time tissue elastographyを用いたLiver Fibrosis Indexの有用性

演者 留野 渉(横浜市立大学附属病院消化器内科)
共同演者 米田 正人(横浜市立大学附属病院消化器内科), 小川 祐二(横浜市立大学附属病院消化器内科), 篠原 義康(横浜市立大学附属病院消化器内科), 今城 健人(横浜市立大学附属病院消化器内科), 鈴木 香峰理(横浜市立大学附属病院消化器内科), 馬渡 弘典(横浜市立大学附属病院消化器内科), 藤田 浩司(横浜市立大学附属病院消化器内科), 芝田 渉(横浜市立大学附属病院消化器内科), 桐越 博之(横浜市立大学附属病院消化器内科), 前田 愼(横浜市立大学附属病院消化器内科), 中島 淳(横浜市立大学附属病院消化器内科), 斉藤 聡(横浜市立大学附属病院消化器内科)
抄録 【目的】多くの非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)のなかから,肝生検を行うべき非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を効率よく的確に拾い上げるために,非侵襲的な画像撮像法の確立が望まれている.今回我々は,非侵襲的な線維化評価法としてのreal-time tissue elastography(以下RTE)を用いたLiver Fibrosis Index(以下LF Index)の有用性について,NAFLD患者とC型慢性肝炎患者とで比較検討した.【方法】我々の施設で肝生検を施行したNAFLD患者27症例,C型慢性肝炎患者93症例を対象として,血清線維化マーカーの測定及びtransient elastographyを施行し,同時にRTEを施行しLF Indexを算出した.【結果】C型慢性肝炎患者ではLF Indexは肝生検の線維化stageに応じて漸次増加したが(P=.0102),NAFLD患者では線維化stageとLF Indexとの間に有意な相関は認められなかった(P=.79).LF Indexとtransient elastographyの測定値(stiffness)との間にはNAFLD患者(r=0.403,P=.0236)においてもC型慢性肝炎患者(r=0.319,P=.0009)においても有意な相関を認めた.C型肝炎患者においてはLF Indexと,線維化診断の有効なスコアリングシステムの1つであるFib-4 indexとは正の相関を認めたが,NAFLD患者では相関は認められなかった.【結論】RTEを用いたLF Indexは,C型慢性肝炎患者では線維化評価に有用であったが,NAFLD患者では有効性は認められなかった.本検討は非侵襲的な肝線維化評価法としてRTEの臨床的有効性を,NAFLD患者とC型慢性肝炎患者とで比較した最初の検討である.肝線維化を診断するための,RTEを用いたより優れた評価法についてさらなる検討が望まれる.
索引用語