セッション情報 口演

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タイトル O-090:

腹部CT検診の有用性~肝胆膵を中心に~

演者 鯵坂 秀之(石川県予防医学協会)
共同演者
抄録 【はじめに】腹部内臓検診には超音波検査(以下US)が広く利用されているが,CTも追加されることがある.今回,肝胆膵検診におけるCTの有用性を検討した.【対象と方法】2006年4月~2012年3月に検診として腹部USおよび腹部CTの両方を施行されたのべ370例(実症例数222人,初回平均年齢51.7歳,男:女=175:47)を対象とし,肝胆膵疾患を中心に比較した.【結果1】肝SOLは74例(嚢胞61例,血管腫9例,嚢胞&血管腫4例)に指摘された.このうちUS・CTの両方で指摘されたのは30例,USだけで指摘されたのは35例,CTだけで指摘されたのは9例であった.USだけで指摘されたものはUS・CTの両方で指摘されたものよりも最大径が小さく(13.75±9.44mm vs 31.09±33.02mm),CTだけで指摘されたものはUS・CTの両方で指摘されたものよりもS8のものが多かった(77.8%(7/9)vs 13.3%(4/30)).【2】脂肪肝は96例(非アルコール性69例,アルコール性脂肪肝27例)に指摘された.このうちUS・CTの両方で指摘されたのは30例,USだけで指摘されたのは54例,CTだけで指摘されたのは12例であった.CTで高度と判定された10例のうち,2例はUSにて指摘しえなかった非アルコール性脂肪肝であった.【3】胆嚢ポリープは51例に指摘された.このうちUS・CTの両方で指摘されたのは1例のみで,残り50例はUSだけで指摘された.この50例のうち2例は癌も否定できず要精密検査と判定された.【4】胆嚢結石は21例に指摘された.このうちUS・CTの両方で指摘されたのは12例,USだけで指摘されたのは6例,CTだけで指摘されたのは3例であった.総胆管結石はCTで1例に指摘された.【5】USにおける膵描出不良は50例にのぼった.【6】膵管拡張・膵石灰化は10例に指摘された.このうちUS・CTの両方で指摘されたのは1例,USだけで指摘されたのは2例,CTだけで指摘されたのは7例であった.【結語】肝胆膵検診において,CTとUSは互いに補完しうるものと考えられた.
索引用語