セッション情報 口演

食道 ESD

タイトル O-100:

当院における食道ESD治療成績の検討

演者 鎌田 和浩(京都府立医科大学消化器内科)
共同演者 冨江 晃(京都府立医科大学消化器内科), 鈴木 建太朗(京都府立医科大学消化器内科), 土屋 礼子(京都府立医科大学消化器内科), 辻 俊史(京都府立医科大学消化器内科), 山田 展久(京都府立医科大学消化器内科), 尾藤 展克(京都府立医科大学消化器内科), 土肥 統(京都府立医科大学消化器内科), 岡山 哲也(京都府立医科大学消化器内科), 吉田 直久(京都府立医科大学消化器内科), 堅田 和弘(京都府立医科大学消化器内科), 内山 和彦(京都府立医科大学消化器内科), 石川 剛(京都府立医科大学消化器内科), 高木 智久(京都府立医科大学消化器内科), 半田 修(京都府立医科大学消化器内科), 小西 英幸(京都府立医科大学消化器内科), 八木 信明(京都府立医科大学消化器内科), 古倉 聡(京都府立医科大学消化器内科), 内藤 裕二(京都府立医科大学消化器内科)
抄録 【目的】表在型食道癌のESDが標準的治療として広まり,絶対適応病変としてのEP,LPM病変に加え,低侵襲の利点により,相対的適応としての術前にリンパ節転移を伴わないMM,SM1病変に対しても内視鏡治療を選択される症例が増えている.しかし,約10%にリンパ節転移を伴うこともあり,その後の追加治療の選択に苦慮することも多い.今回,当院における食道ESDの治療成績を検討した.【方法】2003年10月より2012年9月まで当科においてESDを施行し,その後経過観察中の180症例のうち,最終組織診断がMM以深であった扁平上皮癌41症例(男性35人,女性6人,平均68.8才)を対象に,その治療経過を検討した.【成績】病変の深達度はMMが25例,SM1が7例,SM2が9例であり,MM症例の4例,SM1症例の3例に,SM2症例の3例に脈管侵襲を認めた.MM症例で手術4例,化学放射線療法4例,SM1症例で化学放射線療法1例,単独化学療法1例,SM2症例でも化学放射線療法1例,単独化学療法1例追加治療として選択されていたが,合併症や高年齢のため半数以上は追加治療を施行されていなかった.手術後1年でリンパ節に再発した1例の原病死,他病死による5例の死亡例を認めた.手術を選択されたMM症例の1例は1年後にLPM病変の異時多発,2年後にリンパ節転移を指摘された時点で追加手術を施行,また別の1例半年後と1年後に異時多発に対しESD施行され再度MM病変であり脈管浸潤も指摘されたため追加手術を施行された.SM2症例1例で1年後に異時多発,それ以外は3年以上経過している16例に関しても局所再発,リンパ節再発は認めていない.【結論】今回の検討では頻度は少ないものの内視鏡治療後2年,外科的追加切除後1年にそれぞれ1例ずつリンパ節転移での再発を認めた.また,多臓器の担癌患者や高齢のため追加治療を選択されなかったものが多い結果であった.
索引用語