セッション情報 口演

食道 ESD

タイトル O-101:

ESDをおこないpMM-SMであった食道扁平上皮癌症例の検討

演者 太田 正穂(東京女子医科大学消化器外科)
共同演者 成宮 孝祐(東京女子医科大学消化器外科), 工藤 健司(東京女子医科大学消化器外科), 白井 雄史(東京女子医科大学消化器外科), 大木 岳志(東京女子医科大学消化器外科), 大杉 治司(東京女子医科大学消化器外科), 山本 雅一(東京女子医科大学消化器外科)
抄録 ESD後のpMM-SM食道扁平上皮癌に対する治療方針は何らかの付加治療は推奨されるものの確立されたものがない.当院でESDにてpMM-SMが判明した症例につき検討した.<対象>2005年~2012年に当科にてESDをおこないpMM-SMであったcN0M0で前治療のない食道扁平上皮癌38例.男34例,女4例,平均年齢69.0才.pMM 18例,pSM1 8例,pSM2以深12例であった.ESD後の治療経過,転帰について検討した.<結果>脈管侵襲はly+9例(24%),v+7例(18%)であり,pMMではly+2例(11%),v+0例,pSM1ではly+1例(13%),v+1例(13%),pSM2以深ではly+6例(50%),v+6例(50%)であった.追加治療は原則として脈管侵襲陰性例では化学療法,陽性例では手術療法,化学療法,化学放射線療法(CRT),EW陽性ではCRTを提示しインフォームドコンセントにより決定した.化学療法はFP(80/800)療法,CRTはFP(70/700)+50Gy以上で照射野は局所に限局した.ESD単独24例,化療付加9例,CRT付加3例,手術治療1例であった.30例(79%)が無再発生存中で4例が不明であり,局所以外の再発が4例(11%)でみられた.再発例のESD施行から再発発見までの期間は平均416日でありいずれも定期的なCT検査で発見された.ESD単独pMM,ly+例で肝+腹部リンパ節(N1),化療付加pMM,ly-例で縦隔リンパ節(N1),CRT付加pSM2,ly+例でリンパ節(N4),CRT付加pSM2,ly+,v+例でリンパ節(N1~4)であった.原病死1例,他病死1例,担癌生存1例,生存1例である.<結論>pMM-SM例では無再発例も多いが付加治療をおこなった症例でも再発が散見された.再発部位は所属リンパ節のみもあるが他臓器・遠隔リンパ節の場合もあり定期的な経過観察が重要と思われた.
索引用語