セッション情報 口演

食道 ESD

タイトル O-103:

当院におけるMM以深食道癌ESDの長期成績

演者 小野地 研吾(秋田大学消化器内科)
共同演者 神 万里夫(秋田大学消化器内科), 松橋 保(秋田大学消化器内科), 大場 麗奈(秋田大学消化器内科), 片岡 仁子(秋田大学消化器内科), 畠山 夏美(秋田大学消化器内科), 小泉 重仁(秋田大学消化器内科), 木村 有香(秋田大学消化器内科), 山田 由美(秋田大学消化器内科), 沢口 昌亨(秋田大学消化器内科), 俵谷 伸(秋田大学消化器内科), 渡部 昇(秋田大学消化器内科), 真嶋 浩聡(秋田大学消化器内科), 大西 洋英(秋田大学消化器内科)
抄録 【目的】当院での食道癌ESD症例において,MM,脈管侵襲陰性は経過観察,脈管侵襲陽性は追加CRT(50.2Gy),SMは追加手術またはCRTの方針としている.今回MM以深癌の長期成績を解析し追加治療の有効性を検証した.【方法】2004/1月~2009/9月までESDを施行した食道扁平上皮癌128例152病変のうち,CRT後サルベージを除いたMM以深症例は46例だった.このうち追跡可能だった44例を対象とし(補足率95.7%),MM/SM1/SM2に分け検討した.(1)追加治療,(2)再発,(3)3年生存率について検討した.【成績】対象は平均年齢67.5歳(45-82),男女比41:3,観察期間中央値45ヵ月(13-85).44例中,MM:21例,SM1:16例,SM2:7例だった.一括切除率95.5%,一括完全切除率90.9%だった.(1)MM:脈管侵襲陰性11例中10例は経過観察とした.1例は術後穿孔を来し手術となった.脈管侵襲陽性10例中,4例はCRT,1例はRT施行,6例は追加治療を希望せず経過観察となった.SM1:4例は手術,6例がCRT,1例はRTを施行,5例は経過観察となった.SM2:3例は手術,1例がCRT,2例はRTを施行,1例は経過観察となった.手術計8例中2例(SM1:1,SM2:1)にリンパ節転移を認めた.(2)追加治療を行わなかった計22例のうち,経過観察中にMM,脈管侵襲陽性1例(MM,ly1,v1,HM1,VM0)で41ヵ月後に局所再発を来しCRTを施行,1例(MM,ly1,v1,HM1,VM0)で40ヵ月後にリンパ節再発を来し手術を施行した.追加治療後の再発例は現時点で認めていない.(3)3年生存率は90.9%(MM:85.7%,SM1:100%,SM2:85.7%)だった.2012/9月まで6例(MM:4,SM1:1,SM2:1)が死亡していたが,原病死はなくいずれも他病死だった.【結論】MM以深のESD症例において原病死はなく長期成績は良好であり,当院での追加治療方針は妥当なものと思われた.しかし追加治療を行わなかった症例では3年以上経過後の再発例も認めており,慎重な経過観察は必須と考える.
索引用語