セッション情報 | 口演食道 ESD |
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タイトル | O-104:当院における内視鏡医が発見した中下咽頭悪性腫瘍の検討 |
演者 | 戸祭 直也(京都第一赤十字病院消化器内科) |
共同演者 | 寺崎 慶(京都第一赤十字病院消化器内科), 陶山 遥介(京都第一赤十字病院消化器内科), 豊川 優季(京都第一赤十字病院消化器内科), 中野 貴博(京都第一赤十字病院消化器内科), 田中 信(京都第一赤十字病院消化器内科), 間嶋 淳(京都第一赤十字病院消化器内科), 川上 巧(京都第一赤十字病院消化器内科), 鈴木 隆裕(京都第一赤十字病院消化器内科), 世古口 悟(京都第一赤十字病院消化器内科), 中村 英樹(京都第一赤十字病院消化器内科), 佐藤 秀樹(京都第一赤十字病院消化器内科), 奥山 祐右(京都第一赤十字病院消化器内科), 木村 浩之(京都第一赤十字病院消化器内科), 吉田 憲正(京都第一赤十字病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】従来,中下咽頭領域の腫瘍は,耳鼻咽喉科専門医をもってしても表在癌で発見されることは極めて稀であった.NBI内視鏡の出現で,早期食道癌がより多く発見されるようになったことを契機に,内視鏡医による中下咽頭領域の腫瘍の発見例も散見されるようになった.当科での内視鏡で発見された中下咽頭領域の腫瘍の特徴,患者背景を考察することを試みた.【方法】2009年7月から2012年8月までの当科(健診症例も含む)で施行された上部消化管内視鏡検査31668例のうち,当科で内視鏡医が初めて指摘した中下咽頭悪性腫瘍症例.【結果】腫瘍は9例(53~76歳,平均67.2歳)と全体の0.03%であった.男性8例,女性1例.発見部位は下咽頭4例,梨状陥凹3例,披裂2例であった.食道癌の既往や合併は5例,胃癌3例,大腸癌2例,肺癌2例,その他の癌2例であり,88.9%で何らかの癌の既往があった.アルコール多飲55.6%,MCVもしくはγGTP高値であったのは66.7%,喫煙33.3%であった.【考察】中下咽頭領域の腫瘍の発見率は決して高いものではなかったが,早期発見は,患者のQOL向上に大きく寄与するため,取りこぼしのないようにすることが重要である.癌の既往,アルコール多飲,MCV高値,γGTP高値,喫煙などのリスク因子を全員が2つ以上該当していた.3つ以上該当する者も44.4%みられ,簡単な問診でもリスクを絞り込める可能性が示唆された.しかしながら,発見例の66.7%は1年以内に行っていた後の発見であり,見逃し症例が他にも潜在しているかもしれない.【結語】内視鏡のスペックからは今後,耳鼻咽喉科医よりも内視鏡医による発見が期待され,高リスク症例の絞り込み,そして内視鏡医の努力と注意深い観察が重要と考えられる.早期発見は,患者のQOL向上に大きく寄与する可能性が期待される. |
索引用語 |