セッション情報 | 口演食道 他 |
---|---|
タイトル | O-109:食道カンジダ症増加の原因解析 |
演者 | 佐藤 綾子(横須賀共済病院消化器病センター内科) |
共同演者 | 松田 浩紀(横須賀共済病院消化器病センター内科), 井上 恵美(横須賀共済病院消化器病センター内科), 野澤 さやか(横須賀共済病院消化器病センター内科), 樺 俊介(横須賀共済病院消化器病センター内科), 小島 直紀(横須賀共済病院消化器病センター内科), 松本 太一(横須賀共済病院消化器病センター内科), 鎌田 和明(横須賀共済病院消化器病センター内科), 伊田 春菜(横須賀共済病院消化器病センター内科), 田邊 陽子(横須賀共済病院消化器病センター内科), 山極 洋子(横須賀共済病院消化器病センター内科), 渡邉 秀樹(横須賀共済病院消化器病センター内科), 新井 勝春(横須賀共済病院消化器病センター内科), 鈴木 秀明(横須賀共済病院消化器病センター内科), 小林 史枝(横須賀共済病院消化器病センター内科), 池田 隆明(横須賀共済病院消化器病センター内科) |
抄録 | 【目的】プロトンポンプインヒビター(PPI)や吸入ステロイド剤などの治療を受ける症例は増加しており,今後これら薬剤治療により引き起こされる局所的要因による食道カンジダ症の増加が予測される.そこで今回,局所的要因による食道カンジダ症の実態を明らかにする目的で,過去5年間に当院で経験した食道カンジダ症の臨床像を解析した.【方法】2007年から2011年の5年間で,食道カンジダ症と診断を受けた症例を対象とした.5年間での疾患像の変化を明らかにする目的で,2007年と2011年の2年間の診断例については,それぞれの背景疾患,処方内容を含めた臨床像を比較検討した.食道カンジダ症の肉眼分類はKodsi分類を用い,統計学的解析はχ2検定で行った.【結果】1)上部内視鏡施行例で,食道カンジダ症と診断された症例は,2007年から2011年の5年間で0.7%,1.0%,1.5%,1.2%,1.5%と増加していた.2)2007年と2011年の両期間で,症例の年齢,性別,肉眼分類の重症度に有意差は認められなかった.3)発症要因としては,悪性腫瘍,糖尿病の背景疾患を持つ症例が2007年の36%に対して2011年では20%と有意(P<0.05)に低率であった.4)局所的要因としてPPIの関与が疑われる症例は,2007年の4.5%に対して,2011年の17%と有意(P<0.05)に高率であった.5)PPI投薬前の内視鏡所見が確認可能であった12例では,平均7±6ヵ月のPPI服用期間で食道カンジダ症所見が発現していた.【結論】上部内視鏡施行例の中で食道カンジダ症と診断される症例は年々増加している.増加の原因として,特にPPIの長期投薬が関与する可能性が考えられ,この疾患の臨床像を慎重に観察する必要があると考えられた. |
索引用語 |