セッション情報 口演

食道 他

タイトル O-112:

当院における過去5年間の食道異物39例の検討

演者 土屋 昭彦(上尾中央総合病院消化器内科)
共同演者 西川 稿(上尾中央総合病院消化器内科), 近藤 春彦(上尾中央総合病院消化器内科), 片桐 真矢(上尾中央総合病院消化器内科), 山城 雄也(上尾中央総合病院消化器内科), 外處 真道(上尾中央総合病院消化器内科), 三科 友二(上尾中央総合病院消化器内科), 深水 雅子(上尾中央総合病院消化器内科), 長澤 邦隆(上尾中央総合病院消化器内科), 川上 知孝(上尾中央総合病院消化器内科), 渡邊 東(上尾中央総合病院消化器内科), 明石 雅博(上尾中央総合病院消化器内科), 笹本 貴広(上尾中央総合病院消化器内科), 丸茂 達之(上尾中央総合病院消化器内科), 山中 正己(上尾中央総合病院消化器内科)
抄録 食道異物は日常診療においてしばしば遭遇する重要な疾患の一つであり,異物の種類,形状,大きさなどにより緊急内視鏡の適応となることが多い.今回,我々は当院での過去5年間の食道異物39例について検討したのでここに報告する.尚,今回は内視鏡処置時に食道に存在した異物のみを対象とした.【対象】2007年4月1日より2012年3月31日までに当科で処置した,食道異物39例.これらを(1)年齢,(2)性別,(3)異物の種類,(4)介在部位,(5)CT検査の有無,(6)誘因,(7)抗血栓薬の内服の有無などを検討した.また,年齢を更に,A群:40歳以下を若年者群,B群:41~64歳を一般群,C群:65歳以上を高齢者群に分けて検討した.【結果】(1)年齢は18歳から95歳.平均年齢は68.02歳.A群1例,B群11例,C群27例であった.(2)男女比は16対23.(3)異物の種類はpress through package(以下,PTP)が13例,魚骨8例,肉塊4例,義歯3例,プラスチック系2例,鳥骨1例,他の食物系が8例であった.(4)介在部位は,食道入口部9例,頸部食道4例,胸部上部食道12例,胸部中部食道8例,胸部下部食道3例,記載なしが3例であった.(5)内視鏡処置前に実施したCTは,24例で3例を除き異物の存在が確認出来た.(6)誘因は食事中が23例,内服中13例,歯科治療中3例であった.(7)抗血栓薬の内服は6例で,単剤内服が3例,2種類内服が3例であった.【考察】当院での検討では,異物の種類は従来の魚骨・義歯に比べてPTPが多いが,これは高齢化に伴う変化と考える.また,従来の診断は殆どが単純X線であったが,最近では高速多列CTの普及により異物の部位のみならず質的診断まで可能であり,当科でも実施した症例で87.5%と高率に診断が可能であった.今回,我々は当院における過去5年間の食道異物39例を検討したのでここに報告する.
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