セッション情報 | 口演膵腫瘍 外科治療 |
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タイトル | O-113:正中弓状靱帯圧迫による腹腔動脈起始部狭窄の分類と膵頭十二指腸切除術における周術期管理 |
演者 | 藤井 努(名古屋大学消化器外科学) |
共同演者 | 菅江 崇(名古屋大学消化器外科学), 山田 豪(名古屋大学消化器外科学), 神田 光郎(名古屋大学消化器外科学), 小林 大介(名古屋大学消化器外科学), 田中 千恵(名古屋大学消化器外科学), 中山 吾郎(名古屋大学消化器外科学), 杉本 博行(名古屋大学消化器外科学), 小池 聖彦(名古屋大学消化器外科学), 野本 周嗣(名古屋大学消化器外科学), 藤原 道隆(名古屋大学消化器外科学), 竹田 伸(名古屋大学消化器外科学), 中尾 昭公(名古屋大学消化器外科学), 小寺 泰弘(名古屋大学消化器外科学) |
抄録 | 【背景・目的】正中弓状靱帯圧迫による腹腔動脈起始部狭窄症例に対して膵頭十二指腸切除術を施行すると,上腸間膜動脈から膵頭部を介した側副血行路を切除することとなり,上腹部臓器,特に肝への血流が障害される.同症例を検討し,術前画像での分類を試みた.【方法】1989年より当教室にて施行した562例の膵頭部切除を対象とした.以前は血管造影検査,2004年以降はMD-CTの3D構築血管像にて評価した.術前画像における形態的特徴と,術中処置との関連を検討した.【結果】12例(2.1%)で正中弓状靱帯圧迫を認め,8例では正中弓状靱帯切離により,腹腔動脈の血流が再開した.1例で側副血行路の温存を要し,2例で動脈再建を施行した.腹腔動脈起始部の椎体における高さの検討では,狭窄症例と非狭窄症例で差を認めず,狭窄の程度の多寡でも差を認めなかった.狭窄様式を三群に分類すると,Type A(狭窄率50%以下)は術中処置が必要無く,Type B(狭窄率50-80%)は正中弓状靱帯の切離が必要,Type C(狭窄率80%以上)は動脈再建か側副血行路の温存が必要と考えられた.【結論】腹腔動脈狭窄症例を術前画像により分類することにより,膵頭十二指腸切除術の周術期対策の検討がより容易となると考えられた. |
索引用語 |