セッション情報 口演

膵腫瘍 外科治療

タイトル O-115:

Solid pseudopapillary neoplasm切除例の検討

演者 鈴木 修司(東京女子医科大学消化器外科)
共同演者 羽鳥 隆(東京女子医科大学消化器外科), 君島 映(東京女子医科大学消化器外科), 大島 奈々(東京女子医科大学消化器外科), 山本 雅一(東京女子医科大学消化器外科), 門前 正憲(東京女子医科大学消化器内科), 長尾 健太(東京女子医科大学消化器内科), 田原 純子(東京女子医科大学消化器内科), 高山 敬子(東京女子医科大学消化器内科), 清水 京子(東京女子医科大学消化器内科), 白鳥 敬子(東京女子医科大学消化器内科), 古川 徹(東京女子医科大学統合医科学研究所)
抄録 【目的】solid pseudopapillary neoplasm(SPN)は比較的稀な膵腫瘍で,低悪性度腫瘍とされている.当院におけるSPN症例につき臨床病理学的に検討した.【方法】対象は当院にてこれまで手術を施行した39例である.この39例につき,背景,画像的特徴,病理学的特徴について検討した.【結果】SPN39例は男性7例,女性32例で,平均年齢は38.4歳であった.腫瘤の大きさは平均47.3mmであった.多発症例は2例(5.1%)で,局在部位は頭部17病変,体尾部24病変であった.腫瘤による十二指腸浸潤は1例に認めたが,リンパ節転移は認めなかった.術式はDP15例,SPDP3例,PPPD11例,MP7例,核出術2例,DPPHR1例であった.症状は無症状22例,腹痛11例,背部痛2例,腹満1例,腫瘤触知1例,下痢1例,嘔気1例であった.画像的特徴では石灰化44.7%,被膜形成52.6%,のう胞変性73.7%,充実成分86.8%,膵管狭窄10.5%,内部出血39.5%,CEA平均1.3ng/ml,CA19-9平均10.3U/mlであった.術後平均観察期間は5.9年でその経過中に肝転移1例を認めた.免疫学的染色陽性率ではsynaptophysin33.3%,chromogranin10%,NSE100%,β-catenin100%,CD10 94.1%,p53overexpression11.1%であった.【結論】SPN切除例の検討では低悪性度腫瘍とされているが,悪性と判断される転移や浸潤は5.1%の症例に認めた.しかし,リンパ節転移はなく,多くの症例では膵縮小手術も選択肢のひとつと考えられた.
索引用語