セッション情報 | 口演膵腫瘍 外科治療 |
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タイトル | O-116:転移性膵腫瘍8自験例の臨床病理学的検討 |
演者 | 井元 章(大阪医科大学第二内科学教室) |
共同演者 | 増田 大介(大阪医科大学第二内科学教室), 小倉 健(大阪医科大学第二内科学教室), 瀧井 道明(大阪医科大学第二内科学教室), 梅垣 英次(大阪医科大学第二内科学教室), 樋口 和秀(大阪医科大学第二内科学教室), 内山 和久(大阪医科大学一般・消化器外科), 栗栖 義賢(大阪医科大学病理学教室), 江頭 由太郎(大阪医科大学病理学教室) |
抄録 | 【背景・目的】膵臓は他臓器からの転移先としてはまれな臓器であり,転移性膵腫瘍は膵腫瘍全体の2%以下とされる.癌の既往や他部位への転移巣などから鑑別が容易であることもあるが,特に乏血性例では通常型膵管癌との鑑別が困難となり,診断に難渋することも多い.今回我々は転移性膵腫瘍の臨床病理学的特徴を明らかにすることを目的とした.【対象と方法】2008年6月から2012年9月までに当院で経験した転移性膵腫瘍8例を対象とした.平均年齢は68.4±2.0歳(61-78歳),男:女=4:4であった.【結果】発見の契機は腹痛1例,閉塞性黄疸1例,他疾患経過観察中に偶然発見されたものが6例であった.単発性5例,多発性3例で,局在は頭部4例,尾部1例,体部/尾部2例,頭部/体部1例であった.原疾患は腎細胞癌2例,大腸癌1例,肺癌1例,乳癌1例,小腸カルチノイド腫瘍1例,大腿肉腫1例,胆管細胞癌1例であり,転移巣の平均腫瘍径は25.0±4.6mmであった.原発巣治療から転移確認までの平均期間は67.7±25.9ヶ月であり,膵臓以外の臓器にも転移を認めたのは3例であった.転移巣のCT像は乏血性のものから強い造影効果を示すものまで様々であった.膵臓に対してEUSを施行しえた7例のエコー像は,境界明瞭/不明瞭:5例/2例,辺縁整/不整:3例/4例,内部エコーはいずれも低エコー性で,均一/不均一:5例/2例であった.多くの症例(6/7)で膵管拡張を伴っており,EUS像のみで膵管癌と鑑別することは困難であった.EUS-FNAを施行した6例のうち,免疫学的検索まで施行しえた3例では,病理診断が診断に有用であった.治療は2例で化学療法,2例で手術,4例で支持療法となった.【結論】転移性膵腫瘍は原発巣に応じて種々の臨床像を呈した.EUS像のみでは通常型膵管癌との鑑別が困難であったが,EUS-FNA検体における免疫学的検討を含めた病理診断は診断に有用であった. |
索引用語 |