セッション情報 | 口演膵癌 治療 |
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タイトル | O-120:膵周囲動脈塞栓術と動注化学療法後に根治切除術を施行した切除不能進行膵癌(Stage IV)症例に関する検討 |
演者 | 秋山 剛英(札幌共立五輪橋病院消化器病センター内科) |
共同演者 | 本間 久登(札幌共立五輪橋病院消化器病センター内科), 高橋 稔(札幌共立五輪橋病院消化器病センター内科), 大井 雅夫(札幌共立五輪橋病院消化器病センター内科), 中野 洋一郎(札幌共立五輪橋病院消化器病センター内科), 吉田 真誠(札幌医科大学第四内科), 古川 勝久(札幌共立五輪橋病院消化器病センター内科), 平田 健一郎(札幌共立五輪橋病院消化器病センター内科), 竹内 幹也(札幌共立五輪橋病院消化器病センター外科), 女澤 愼一(札幌共立医院消化器内科), 土居 忠(王子総合病院消化器内科), 安保 義恭(手稲渓仁会病院消化器外科), 平野 聡(北海道大学第二外科) |
抄録 | 【目的】これまで我々は,Stage IV進行膵癌症例に対する膵周囲動脈塞栓術(TPPAE)と肝脾動注化学療法(HSAIC)が,患者の生命予後の延長のみならず,高い腫瘍縮小効果を期待できる治療法のひとつであることを報告してきた.今回,Stage IV進行膵癌症例に対するTPPAE-HSAICを施行後に,c stage上down stagingが得られたか,または長期間の腫瘍制御が得られ,根治切除術を施行した症例を検討したので報告する.【対象および方法】対象は,2001年4月から2012年3月までに当科で経験した進行膵癌Stage IV 342例中TPPAE-HSAICを施行した129例(Stage IVa 68例,IVb 61例)の中で,術後に根治切除術を施行した5例(平均年齢64.0歳,男女比2:3)である.TPPAE-HSAICの方法は既報(肝胆膵画像 11(2),155-166, 2009)に従い,膵原発巣の栄養動脈に対する塞栓術と,膵に分布する動脈血流を腹腔動脈側に単純化する血流改変術の後に,Gemcitabine+5FUを併用してHSAICを行った.腫瘍縮小効果はRESISTガイドラインに準じて判定した.【成績】TPPAE-HSAICを施行した124例のStage別成績は,IVaの有効率67%,MST 20ヶ月,IVbの有効率70%,MSTは15ヶ月であった.一方,TPPAE-HSAIC後に根治切除術を施行した5例のMSTは65ヶ月(13-96ヶ月)であった.【結論】Stage IV進行膵癌に対するTPPAE-HSAIC治療は,膵原発巣の縮小と局所制御を期待できる有効な治療法のひとつであり,さらにその後の根治を目的とした外科切除術は予後を著しく改善する. |
索引用語 |