セッション情報 口演

C型肝炎4

タイトル O-121:

C型慢性肝炎に対するTelaprevir/PegIFN/RBV併用療法における皮膚障害の検討

演者 長沖 祐子(広島大学病院消化器・代謝内科)
共同演者 今村 道雄(広島大学病院消化器・代謝内科), 河岡 友和(広島大学病院消化器・代謝内科), 高木 慎太郎(広島大学病院消化器・代謝内科), 柘植 雅貴(広島大学病院消化器・代謝内科), 平松 憲(広島大学病院消化器・代謝内科), 相方 浩(広島大学病院消化器・代謝内科), 川上 由育(広島大学病院消化器・代謝内科), 高橋 祥一(広島大学病院消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大学病院消化器・代謝内科)
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対するTelaprevir/PegIFN/RBV併用療法における皮膚障害について検討した.【対象】当院にてTelaprevir/PegIFN/RBV併用療法を導入したC型慢性肝炎患者74例で,男性42例/女性32例,年齢中央値61歳(65歳以下57例,66歳以上17例),初回治療25例/前治療再燃29例/前治療無効20例.【成績】皮膚障害は45例(61%)で生じ,Grade 1/2/3は22/16/7例.治療開始から皮膚障害の出現時期は,1週間以内が32例(71%)と最も高頻度で,1~2週間および2~3週間がそれぞれ1例(2%),3~4週間が2例(4.4%),6~7週間が5例(11%),7~8週間が4例(9%)であった.年齢別の検討では,65歳以下が60%(34例,Grade 1/2/3:21/12/5例),66歳以上が58%(11例,Grade 1/2/3:3/4/2例)と同程度であった.Telaprevir投与量別の検討では2250 mg投与群が61%(30例,Grade 1/2/3:16/11/3例),1550mg投与群が60%(15例,Grade 1/2/3:6/5/4例)と同程度であった.当科での皮膚障害に対する治療としてGrade1に対してはステロイド外用薬,Grade2に対しては外用薬と抗ヒスタミン剤の内服を行い,全例Telaprevirを継続し皮膚障害を改善した.Grade3に対してはメチルプレドニゾロンの内服も追加し皮膚障害は改善を認めたものの,Telaprevirの中止は7例中3例のみである.遅発型でGrade3の皮膚障害を1例認めた.Telaprevir 2,550 mgで開始,開始8週目に発疹が出現したため,入院のうえTelaprevirを中止し,メチルプレドニゾロン20 mgにて治療を開始したが,翌日に口腔粘膜びらん出現などの皮膚障害が増悪し,皮膚生検にて多形紅斑と診断された.PSL20mgを継続し1週間後には痂皮化し軽快した.【結語】3剤併用療法による皮膚障害の多くは早期に発症するが,遅延型も少なくなく,治療期間中は注意を要する.Grade 3以上であっても多くはプレドニゾロン内服でTelaprevir継続可能であるが,重症化する症例もあり,十分な経過観察が必要である.
索引用語