セッション情報 口演

C型肝炎4

タイトル O-122:

PEG-IFN/Ribavirin/Telaprevir三剤併用療法に伴う高尿酸血症と腎機能障害の関係とその対策

演者 大野 香織(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 熊谷 公太郎(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 豊倉 恵理子(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 椨 一晃(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 村岡 良朗(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 大重 彰彦(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 小田 耕平(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 吉嶺 陽造(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 今中 大(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 馬渡 誠一(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 玉井 努(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 森内 昭博(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 野崎 剛(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 宇都 浩文(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 桶谷 眞(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【目的】1型高ウイルス量C型慢性肝炎に対する三剤併用療法では,高尿酸血症が高頻度に発現する.三剤併用療法における腎機能障害と高尿酸血症の関係について検討したので報告する.【方法】HCV serotype 1およびgenotype 1b,高ウイルス量の症例に対し三剤併用療法を導入した34例を対象とし,下記の項目について検討した.1)テラプレビルの用量および投与方法,2)腎機能障害(eGFR<50ml/min/1.73m2)および高尿酸血症(>7mg/dl)の出現頻度および出現時期,3)高尿酸血症を呈した症例におけるi)テラプレビルの用量および投与方法,ii)尿中尿酸排泄量および尿酸クリアランス,iii)飲水負荷・補液,痛風治療薬のeGFRに及ぼす影響.【結果】1)テラプレビル1500mg分2:1500mg分3:2250mg分3=13:10:11例であった.2)34例中6例で腎機能障害を認め,6例とも投与前eGFR>50 ml/min/1.73m2で,テラプレビル1500mg分2:1500mg分3:2250mg分3=3:1:2例と投与法に差はなかった.一方,高尿酸血症は34例中27例でみられた.投与1日目よりeGFRは低下し,血清尿酸値は増加,3日目にピークとなった.3)高尿酸血症を呈した27例の中では,i)テラプレビル1500mg分2:1500mg分3:2250mg分3=11:8:8例と投与法に差はなく,ii)7例で尿中尿酸排泄量・尿酸クリアランスを評価し,尿酸排泄低下型6例,混合型1例であった.iii)飲水負荷・補液,尿酸産生阻害薬の内服により血清尿酸値は改善,eGFRも改善した.【考察】テラプレビル三剤併用治療に伴う腎機能障害は早期に発現し,排泄低下型の高尿酸血症を誘導し,また高尿酸血症の存在が腎機能障害をさらに増悪させている可能性が示唆された.よって,飲水負荷・補液,尿酸産生阻害薬による高尿酸血症の治療は,腎機能障害の改善に有用と考えられた.
索引用語