セッション情報 | 口演C型肝炎4 |
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タイトル | O-123:Peg-IFN+RBV+TPV治療時の腎障害 |
演者 | 黒川 美穂(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター) |
共同演者 | 国府島 庸之(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 吉本 剛志(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 岩田 真悠子(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 中村 吏(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 福嶋 伸良(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 福泉 公仁隆(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 藤森 尚(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 河邉 顕(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 原口 和大(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 隅田 頼信(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 原田 直彦(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 遠城寺 宗近(福岡大学薬学部免疫・分子治療学), 中牟田 誠(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター) |
抄録 | 【目的】NS3/4A阻害剤であるTelaprevir(TPV)は昨年末に認可となり,現在C型慢性肝炎に対して新規peg-IFN+ribavirin(RBV)+TPV併用療法が行われている.TPVの通常投与量は2250mgであるが,高齢者や女性などでは減量が余儀なくされる事も多く,また貧血や皮疹以外にも腎障害によって治療の中断が必要となることもしばしば経験され,peg-IFN+RBV+TPV治療時の腎障害に対して注意喚起がなされている. 【方法】当院においてHCV Genotype 1b高ウイルス群88例に対しpeg-IFN+RBV+TPV治療を行った.65歳以上の症例ではTPV 1500mgに減量しており,治療中の腎障害の出現頻度や腎機能,尿所見を背景因子毎に比較検討した. 【成績】Peg-IFN+RBV+TPV治療開始後早期にeGFRは低下し,血中Creは上昇した.治療開始後12週でTPVの投与が終了するとそれぞれ改善し,投与終了時にはほぼ治療開始前と同等であった.TPV投与量毎に比較すると,減量投与群では腎障害の程度は軽度であった.また通常投与群においてもeGFR≦100 ml/min/1.73m2の症例で腎障害出現が多かった.通常投与群と減量投与群でHCV-RNA量の変化について比較したが,ウイルス反応性には差を認めなかった.投与開始後3日目,7日目の時点でのFENaは0.7程度であり,腎前性腎不全の関与が示唆された.一方尿中β2ミクログロブリンも半数以上の症例で増加しており,尿細管障害も合併していると考えられた. 【結論】Peg-IFN+RBV+TPV治療時の腎障害は腎前性腎不全に加え尿細管障害が原因となっていると考えられる.TPVの減量投与は腎障害を予防できる一方で,ウイルス量の変化に影響しないと考えられるが,TPVの減量が最終的な治療効果にどの程度影響するのかは不明であり,eGFR値を参考に可能な限り十分量のTPVを投与する必要性があると考えられた. |
索引用語 |