セッション情報 口演

C型肝炎5

タイトル O-125:

PEG-IFN+RBV2剤で治癒可能症例の選別とBCAA併用効果

演者 岩根 紳治(佐賀大学内科学)
共同演者 河口 康典(佐賀大学内科学), 水田 敏彦(佐賀大学内科学)
抄録 【背景】難治性(1型,高ウイルス)C型慢性肝炎(rCHC)に対してはDAA治療の時代に入ったが,強い副作用が懸念されるため従来のPEG-IFN+RBV2剤治療でも治癒可能な症例の選別は重要である.インスリン抵抗性(IR)はIFN抵抗性の因子であり,本研究ではIR評価が2剤治療選択の要因となりうるかを検討した.またIR改善作用やIFNシグナル増強効果を有するBCAAが2剤治療の抗ウイルス効果に与える影響を検討した.【方法】(1)rCHCで48週間以上の2剤治療を行った197例(男性94例,年齢56.2)で,ROC解析によりSVRを識別するHOMA-IR cut-off値を求め,多変量解析にてSVRに寄与する因子を検討.(2)HOMA-IR>2.0の9例に対しリーバクト顆粒2包/日を初期12週間PEG-IFN+RBVに併用し,抗ウイルス効果を検討.【結果】(1)HOMA-IR cut-off値1.56でSVR予測感度60.6%,特異度61.4%,陽性的中率66.0%であった.多変量解析では55歳未満(OR:2.46,p=0.014),F stage 0,1(OR:2.73,p=0.003),HOMA-IR<1.56(OR:2.06,p=0.040)が有意な因子であり,3因子をすべて満たす症例でSVR率が88.6%であった.(2)BCAA併用例でのRNA陰性化率は4週目22.2%,8週目55.6%,12週目88.9%であり,SVRは77.8%(7/9)であった.【結語】年齢,線維化,IRを評価することにより2剤治療で治癒可能な症例の選別がある程度可能である.BCAA併用は2剤治療の抗ウイルス効果を増強し,3剤併用治療が困難なrCHCに対する治療選択のひとつとなりうる可能性がある.
索引用語