セッション情報 | 口演C型肝炎5 |
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タイトル | O-126:高齢者C型肝炎患者におけるインターフェロン治療の有効性と予後 |
演者 | 西瀬 雄子(山形大学消化器内科学) |
共同演者 | 渡辺 久剛(山形大学消化器内科学), 上野 義之(山形大学消化器内科学), 勝見 智人(山形大学消化器内科学), 冨田 恭子(山形大学消化器内科学), 佐藤 智佳子(山形大学消化器内科学), 芳賀 弘明(山形大学消化器内科学), 石井 里佳(山形大学消化器内科学), 奥本 和夫(山形大学消化器内科学), 齋藤 貴史(山形大学消化器内科学) |
抄録 | 【目的】C型肝炎患者の高齢化が進んでおり,併存疾患を有することの多い高齢者に対して,安全性に配慮しながら抗ウイルス療法を実施することが望まれている.本研究では当院における高齢者インターフェロン治療の実施状況を評価し,有効性および予後に関する検討を行った.【方法】当院でインターフェロン治療を受けた70歳以上のC型肝炎患者36名(男性23名,女性13名,平均年齢71歳,最高年齢80歳)について,インターフェロン治療の効果に関連する因子を検討し,さらにHCC累積発生率および生命予後との関連を検討し,70歳以上の当院に通院する非インターフェロン治療コホートと比較した.【結果】治療法の内訳はペグインターフェロン+リバビリン17名,インターフェロン単独14名,単独少量長期3名,ペグインターフェロンα-2a単独2名であった.半数の患者でコントロールされた高血圧などの軽症合併症を有していたが,経過中悪化はみられなかった.治療期間は10週~72週,SVR率は全体で33%であり,1b抗ウイルス量の患者では10%以下であった.8割の症例で予定の治療期間を完遂できたが,その半数で治療薬の減量を必要とした.治療中断の原因では他の重篤な疾患の発生が2例あった.平均6.8年の観察期間でSVRの1名と非SVRの2名にHCC発症を認めた.肝関連死亡は認めなかったが,2名の他因死亡を認めた.70歳以上の非インターフェロン治療コホートと比べてHCC累積発生率は有意に低く,全死因死亡率も有意に低かった.【結論】合併症のないまたはコントロールされた軽症合併症を有する患者では,比較的安全に治療を完遂できることが明らかになった.SVR率は十分でないが,非インターフェロン治療群と比較してHCC累積発生率は低く,高齢患者においても肝発癌を抑制するために,さらに安全で有効なインターフェロン治療の実施が望まれる. |
索引用語 |