セッション情報 口演

C型肝炎5

タイトル O-128:

Genotype2型C型慢性肝炎に対するPeginterferonα+Ribavirin療法の治療期間の検討

演者 安部 宏(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科)
共同演者 島田 紀朋(新松戸中央総合病院消化器肝臓科), 關 伸嘉(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科), 会田 雄太(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科), 石黒 晴哉(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科), 井家 麻紀子(新松戸中央総合病院消化器肝臓科), 加藤 慶三(新松戸中央総合病院消化器肝臓科), 相澤 良夫(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科)
抄録 【背景】Genotype2(G2)C型慢性肝炎(CHC)に対するPeginterferonα(PEG)+Ribavirin(RBV)併用療法において,治療開始4週目HCV陰性化(RVR)例では高率に持続陰性化(SVR)を達成できる.非RVR例ではRVR例に比べSVR率が低く,延長投与でSVR率が向上するが,副作用,costの点から延長期間ついては検討を必要としている.【目的・方法】24週以上PEG+RBV治療を行い,効果判定できた182例を対象にHCVRNA陰性化時期や治療期間と治療効果を比較し,non RVR例中,治療開始後8週目HCV陰性化(VR8)症例を中心に治療効果およびcost benefitと治療期間の関連を検討した.【成績】123例(67.6%)がRVR(全例24週投与),172例(94.5%)が8週目でHCVRNA陰性化した.RVR達成にはHCVRNA,Genotypeが独立した因子として抽出された.VR8群ではRVR群に比し,24週投与群では有意にSVR達成率が低い(44.4% vs 94.5%,p<0.001)が,36,48週投与群では有意差を認めなかった(88.9%,95.5% vs 94.5%).VR8群の24,36,48週投与群の3群間では臨床的背景に有意な差を認めていないが,各群における薬剤コスト合計をSVR例数で除した値CAS(Cost for a patient Achieving SVR)は,24週群を1とした場合36週0.69,48週0.82であった.なお,8週目でHCVRNA陰性化が得られなかった(nonVR8)10例においては36週投与(2a/2b 1/3)ではSVRは1例もなく,48週投与(2a/2b 1/5)でGenotype2bの3例でSVRが達成できた.【考察】VR8群においては,36,48週投与群間にSVR率に有意差を認めず,cost benefitを考慮すると36週投与が最善であり,nonVR8群で,genotype 2aでは投与期間延長でもSVR達成は困難で,2bでは36週投与では不十分であるが48週の投与でSVR率が向上する可能性が考えられた.【結語】G2CHCの治療期間の検討には治療開始4,8週のHCVRNA陰性化の有無およびGenotypeが有用で,特にVR8例の治療期間はcost benefitの点からも36週が推奨される.
索引用語