セッション情報 口演

C型肝炎6

タイトル O-130:

C型慢性肝疾患に対するIFNβ治療の有効性と安全性に関する検討

演者 木下 昇(佐世保中央病院消化器内視鏡センター)
共同演者 小田 英俊(佐世保中央病院消化器内視鏡センター), 松崎 寿久(佐世保中央病院消化器内視鏡センター), 山道 忍(佐世保中央病院消化器内視鏡センター), 大石 敬之(佐世保中央病院消化器内視鏡センター)
抄録 【目的】PEG-IFNαとリバビリン併用療法がC型慢性肝疾患に対しての標準治療であるが,うつ病・うつ状態などの症例や高齢など副作用の出現のリスクが高い症例に対しての治療は,IFNβ使用が推奨されている.今回我々は当院で行ったC型慢性肝疾患に対するIFNβ治療の有効性と安全性について検討を行った.【対象】1997年から2011年までに当院でIFNβにて治療を行ったC型慢性肝疾患54例(男性37例,女性17例,年齢53.1±12.3歳).2007年からは1型高ウィルス量以外の代償性肝硬変4例に対して治療を行った.2010年からは11例にリバビリン併用を行った.【結果】初回投与41例,再治療13例.患者背景:うつ・うつ状態18例,70歳以上の高齢者7例,甲状腺機能障害2例,脳出血後遺症2例,糖尿病12例(インスリン使用6例),透析患者1例.投与期間は8週以内34例,9~24週12例.25~48週7例,49週以上1例であった.副作用としては,血小板減少にて一時中止した症例が1例あったがSVR症例であった.リバビリン併用例で貧血のため1例中止した.糖尿病患者でIFN中に一時的にインスリン使用量が増えた例が見られた.うつ,70歳以上の高齢者,甲状腺機能障害,脳出血後遺症の症例でも問題なく投与可能であった.SVRは全体で54例中24例44.4%.1型高ウィルス量12例中1例8.3%.1型低ウィルス量5例中4例80%.2型高ウィルス量19例中8例42.1%.2型低ウィルス量18例中11例61.1%であった.2型や低ウイルス量に導入するケースが多くみられた(43例79.6%).特に2型低ウィルス量の患者に対してはリスクがなくても最初からIFNβの投与が行われていた(10例).リバビリン併用11例中4例36.4%がSVR.代償性肝硬変4例はすべてTRであった.【結語】SVRにはウイルス量とgenotypeが関与していた.副作用出現は2/54(3.7%)にとどまった.C型慢性肝疾患に対するIFNβ治療はうつなどの合併症を持つ症例や高齢者に対して安全に使用できる治療法である.しかしリバビリン併用を行っても1型高ウィルス量の症例には効果が少ないように思われた.
索引用語