共同演者 |
厚川 正則(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 坪田 昭人(東京慈恵会医科大学総合医科学研究センター臨床医学研究所), 近藤 千紗(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 中川 愛(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 橋本 知美(日本医科大学付属病院消化器内科), 福田 健(日本医科大学付属病院消化器内科), 松下 洋子(日本医科大学付属病院消化器内科), 城所 秀子(日本医科大学付属病院消化器内科), 楢原 義之(日本医科大学付属病院消化器内科), 中塚 雄久(日本医科大学付属病院消化器内科), 金沢 秀典(日本医科大学付属病院消化器内科), 岩切 勝彦(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 坂本 長逸(日本医科大学付属病院消化器内科) |
抄録 |
【目的】1型高ウイルス量のC型慢性肝炎に対する標準的治療はTelaprevirを含む3剤併用療法となりSVR率も向上したがIL28B minor genotypeでは3剤併用療法でも満足すべきものではない.IFN-β2分割先行投与の高い抗HCV効果が以前より報告されているがIL28Bのgenotypeに着目した報告は少ない.そこでIL28B minor genotypeに対するIFN-β2分割/ribavirin併用先行療法の有用性について検討した.【方法】1型高ウイルス量,IL28B minor genotypeのC型慢性肝炎患者合計14例を,IFN-β2分割/ribavirin併用2週間先行投与後PEG-IFN/ribavirin療法群(β群:6例)とPEG-IFN/ribavirin療法群(P群:8例)とに割り付け,治療初期のHCV-RNA dynamics,ETR,SVR率について検討した.【結果】対象は,各郡(β群,P群)で年齢中央値(61,57歳),男女(1/5,6/2),HCV core aa70(野生型/変異型:0/6,6/2)であった.HCV-RNA減衰について,各群(β群,P群)で24hr後(4.7,5.2LIU/ml,p=0.038),48hr後(4.2,5.2,p=0.028),1週後(3.9,6.0,p=0.004),2週後(3.3,5.7,p=0.004),4週後(3.3,5.2,p=0.014),8週後(2.5,4.3),12週後(1.3,3.5)とP群に比してβ群で良好なウイルス減衰を示し有意差を認めた.RVR,cEVR率の比較では,各群でRVR率(16.7%,0%),cEVR率(33%,0%)とIFN-β先行群が良好な成績であった.ETR率,SVR率の比較ではそれぞれ(66.7%,50%),(37.5%,12.5%)であった.両群において重篤な合併症を認めなかった.【結論】IFN-β2分割/ribavirin先行投与後のPEG-IFN/ribavirin併用療法は,PEG-IFN/ribavirin併用療法に比して,IL28B minor genotype症例において特に良好なHCV減衰率を認める可能性が考えられた. |