セッション情報 口演

C型肝炎6

タイトル O-133:

難治性C型慢性肝炎における3剤併用療法導入後副作用出現例に対するインターフェロン-β+リバビリン併用療法の有用性

演者 魚嶋 晴紀(湘南鎌倉総合病院肝胆膵疾患治療センター)
共同演者 所 慎之介(湘南鎌倉総合病院肝胆膵疾患治療センター), 金原 猛(湘南鎌倉総合病院肝胆膵疾患治療センター), 賀古 眞(湘南鎌倉総合病院肝胆膵疾患治療センター)
抄録 【緒言】難治性とされる1型高ウイルス量C型肝炎にテラプレビル+PEG-IFNα-2b+リバビリン(RBV)の3剤併用療法が可能となり,短い治療期間で,高いウイルス排除率が期待できることとなった.ただし,同時に副作用が強く,高齢,軽体重者など治療が完遂できない症例が少なくない.【目的】IFNβ製剤はC型慢性肝炎の治療において,IFNα製剤と発現する副作用の種類・頻度が異なることが報告されている.今回3剤併用療法導入後副作用が発現し継続治療困難となった症例に対して,IFNβ+RBV併用療法に切り替え継続加療し,その有用性について検討した.【方法】セログループ1,血中HCV-RNA量高値例に対し,テラプレビル1500mg 16例,2500mg 4例投与で開始.副作用で3剤併用療法断念後,IFNβ600万単位 週3回投与)+RBV投与例の検討を行った.【結果】3剤併用療法導入20例中,断念例5例に対してIFNβ+RBV投与.症例1)HCV-RNA4週で陰性化するも急性膵炎発症し,6週目よりIFNβ+RBV投与に切り替えた.症例2)HCV-RNA 4週で陰性化するも食欲不振著明となり,7週目よりIFNβ-RBV投与に切り替えた.症例3)HCV-RNA 4週で陰性化するも血小板減少著明となり,7週目よりIFNβ+RBV投与に切り替えた.症例4)2週目投与でHCV-RNA 2logIU/mlであったが,鼻出血に伴う貧血出現.継続困難となりIFNβ+RBV投与変更し,6週目でHCV-RNA未検出となった.症例5)12週投与するもHCV-RNA陰性化せず,IFNα抗体出現の疑いとなりIFNβ+RBV投与に切り替え.14週投与時でHCV-RNA未検出となった.【結論】3剤併用投与によりHCVの早期血中陰性化を得る事ができたが,血小板減少,急性膵炎などの副作用が出現し,治療が完遂できなかった症例に対し,IFN-β+RBV併用療法に切り替え継続治療した際の有用性が確認された.3剤併用療法完遂群と比較検討を行い,文献と併せて報告する.
索引用語