セッション情報 | 口演大腸癌 外科治療 |
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タイトル | O-135:下部直腸癌に対する治療 |
演者 | 盛 真一郎(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科) |
共同演者 | 喜多 芳昭(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科), 馬場 研二(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科), 柳田 茂寛(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科), 内門 泰斗(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科), 有上 貴明(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科), 奥村 浩(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科), 石神 純也(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科), 上野 真一(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科), 夏越 祥次(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科) |
抄録 | 【目的】直腸癌は結腸癌と比べ再発率が高く,その要因として局所再発率が多いことが挙げられている.わが国では,側方リンパ節郭清や局所再発に対する切除を中心とした局所制御療法がなされてきた.しかし術後の性機能障害や排尿障害が少なくなく,患者のQOLの低下につながることもしばしばであった.このためQOLを重視した局所制御の新たな治療戦略の確立が必要である.当院の下部直腸癌に対する手術療法,RIを利用した側方リンパ節検索について検討し,根治性とQOLを考慮し個別化を目指した治療について考察した.【方法】1992年7月~2012年6月の下部直腸癌157症例.1)側方リンパ節転移の頻度と再発形式を検索し,2)RI深部注入を使用したSentinel Node(以下SN)理論を応用した側方郭清の適応を検討した.【結果】1)深達度別の側方リンパ節転移頻度はsm症例0%,mp症例0%,a症例10%,ai症例38%であった.深達度a症例では上方向のリンパ節転移のある症例の側方リンパ節転移頻度は15%,深達度ai症例では58%と増加した.sm症例で遠隔転移による死亡が2例,mp症例で遠隔転移による死亡が1例に認められたが,局所再発症例はなかった.深達度a症例では局所再発のみで死亡した症例は3%であった.2)深達度MP/A症例19例に対し,RIを使用したSNの検索を行い,RT-PCRにて3例の転移陽性を認めた.このことより深達度MP/A症例に対するRIの深部注入法が側方リンパ節郭清の個別化の指標となりえることが示唆された.【結論】下部直腸癌に対するRIの側方リンパ節検索を取り入れた手術療法は,根治性とQOLを考慮した新たな個別化治療として重要と思われた. |
索引用語 |