セッション情報 | 口演大腸癌 化学療法 |
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タイトル | O-139:消化器癌に対するIFN-αと抗PD-1抗体を用いた免疫療法の検討 |
演者 | 大森 里紗(昭和大学医学部消化器内科) |
共同演者 | 石井 成明(昭和大学医学部消化器内科), 坂木 理(昭和大学医学部消化器内科), 土肥 弘義(昭和大学医学部消化器内科), 梶原 敦(昭和大学医学部消化器内科), 林 栄一(昭和大学医学部消化器内科), 森川 賢一(昭和大学医学部消化器内科), 伊藤 敬義(新百合ヶ丘総合病院消化器内科), 広石 和正(新百合ヶ丘総合病院消化器内科), 井廻 道夫(新百合ヶ丘総合病院消化器内科), 江口 潤一(昭和大学医学部消化器内科) |
抄録 | 【目的】消化器癌患者は免疫抑制状態に陥っていることが多く,免疫療法で消化器癌を治療するには強く抗腫瘍免疫を誘導する必要がある.PD-1は活性化したリンパ球の表面にある受容体の一種で活性化リンパ球を沈静化するとされ,PD-1を阻害することにより従来の免疫療法の効果を増強することが想定される.本研究では抗腫瘍効果を持つIFN-α療法に抗PD-1抗体を併用した免疫療法に対する評価を行うことを目的とする.【方法】まずIn vitroの刺激にてIFN-αと抗PD-1抗体がおよぼす効果をフローサイトメトリー等にて解析した.治療モデルとしては野生株を皮下接種し,皮下腫瘤を形成したマウスにIFN-α遺伝子導入腫瘍細胞株と抗PD-1抗体とを治療目的に投与した後,野生株腫瘤の大きさを経時的に測定した.抗腫瘍効果の作用機序を検索するため,野生株腫瘤内に浸潤している免疫細胞を免疫組織染色で観察した.またIFN-αと抗PD-1抗体で免疫したマウスの脾細胞を用いて,腫瘍特異的細胞傷害活性を測定した.【成績】IFN-αに抗PD-1抗体を加えることによってリンパ球のアポートーシスが有意に抑制されることが証明された.IFN-αと抗PD-1抗体を併用して治療することにより,IFN-αや抗PD-1抗体単独治療と比較し,野生株腫瘤の増大が有意に抑制された.また免疫組織染色ではIFN-αと抗PD-1抗体で治療したマウスの野生株腫瘤内に,CD4およびCD8陽性細胞が多く浸潤していた.さらにIFN-αと抗PD-1抗体を併用して免役されたマウスの脾細胞からは,より強力な腫瘍特異的細胞傷害活性を誘導することが可能であった.【結論】細胞性免疫の活性化,MHC Class I分子の発現増強,樹状細胞の成熟促進,細胞傷害性T細胞のアポトーシス抑制などの多彩な免疫賦活効果を示すIFN-αの抗腫瘍作用を抗PD-1抗体は増強することが明らかとなった.この治療は今後,臨床への応用も期待できると考えられた. |
索引用語 |